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書籍や雑誌の企画案・執筆依頼、絶賛受付中! →2012年4月2日から朝日新聞夕刊で就活連載を始めることになりました(隔週) 光文社新書『アホ大学のバカ学生』(山内太地との共著)は1月刊行、現在4万部! ちくま新書『大学の思い出は就活です(苦笑) 大学生活50のお約束』は3月7日ごろ刊行! 中央公論新社『最辛大学ガイド2013』(仮・山内太地との共著)は4月中旬刊行予定! 講演・就職相談会などのご依頼、についてはこちらをご参照ください。 イベントや飲み会のお誘いなどもお気軽にどうぞ。 執筆・講演依頼、感想、怒りの抗議などのご連絡はメール(namio◎eurus.dti.ne.jp)にてお願いします。※メールアドレス送信の際はマークを@に変換してください。 メールの内容や著者仕事状況などにより、メールへの返信が遅くなったり、できない場合があります。ご了承ください ●桜美林大
5月16日(水)17時~18時30分 場所:桜美林大学・学而館ラウンジ タイトル:新入生応援プロジェクト …新入生の大学生活の悩みなどを先輩学生と私がお答えします。コーヒーも出るそうです。 ●関大タイムス・関西大学生協 5月21日(月)17時~18時30分 場所:関西大学千里山キャンパス凛風館3階・大学生協会議室 タイトル:『大学の思い出は就活です〈苦笑〉』にならないための大学生活の過し方 講演者:石渡嶺司・浜村寿紀 …次に紹介する関学生協講演と内容はほぼ同じ。共演者は去年から一緒に講演する機会が多い浜村さんです。中身は大学生活ネタ。主催は関大タイムスという学内サークル。関西大生協さんは協賛という形になっています。 関学講演と同様、「大学から社会人まで苦笑されずに済む文章の書き方・小ネタ集」を参加者特典としてプレゼント。 ●関西学院大生協 5月22日(火)17時~18時30分 場所:関学会館・翼の間 タイトル:『大学の思い出は就活です〈苦笑〉』にならないための大学生活の過し方 講演者:石渡嶺司・浜村寿紀 …この時期、しかも大学1、2年生が本当に集まります?としぶる生協ご担当者を説得しての開催。 関学会館・翼の間は普段、学生が立ち入らない場所らしく、分かりづらいので当日はご注意ください。 関大講演と同様、参加者特典として「大学から社会人まで苦笑されずに済む文章の書き方・小ネタ集」をプレゼント。 関学生協さんのサイトには「小冊子」となっていますが、要するにA4のプリントです(苦笑)。ただし。10ネタ以上、文字数は最低でも1万字は軽く超えます。すでに2ネタ(あ、間に合うかな…)で5000字超えているし。 ●紀伊國屋書店新宿南店 5月25日(金)18時30分~20時 場所:紀伊國屋書店新宿南店3階ふらっとすぽっと タイトル:『アホ大学のバカ学生』ライブトーク(仮) 講演者:石渡嶺司・山内太地 ※後日、ユーチューブで閲覧可能 …『アホ大学のバカ学生』共著者・山内太地と一緒に大学・学生事情をあれこれと話します。 いずれも、入場無料。事前予約なしでも他大生・社会人でも入場できます。ご参加お待ちしております~。 ぼちぼち講演と『最辛大学ガイド』の宣伝など、と思っていたらこちらの方が面白いので。 私の知人のそのまた知人(つまり他人とも言う・笑)である佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長はアイデアマンとしても有名です。直接、面識があるわけではないのですが『首長パンチ』(講談社)は公務員志望の大学生・高校生に読んでほしい良書。 この樋渡市長がCCC(ツタヤ経営)と提携し新図書館構想を発表しました。 共同通信記事はこちら。 発表の際、ユーストで樋渡市長が 「貸出情報は個人情報には当たらないというのは僕の持論」 とコメント。 これがもとで個人情報の軽視か、と樋渡市長のツイッターアカウントは炎上しました。 主な批判は次の通り。 ●個人情報の軽視もはなはだしい ●「図書館の自由に関する宣言」を軽視している ●公共機関を民間企業に任せていいのか ●結局、予算を削減したいだけ ●やり方が独裁的 ま、大体、このあたり。ここでCCCとの提携構想の是非についてはおくとします。 私は面白い発想だと思いますし、前例のないことですから、やってみなきゃ分からないわけで。 興味深いなあと思い、かつ、学生さんにも色々と調べたうえで自分のキャリアに生かしてほしいと思う切り口がいくつかあります。 1)法律論 ネットで一番炎上している個人情報保護の問題ですね。樋渡市長のブログをよく読むと軽視していないことが明らかです。 「図書館の自由に関する発言」の「第3 図書館は利用者の秘密を守る」を厳密に適用するとひっかかりそうです。が、こちらの最新の改訂は1979年。30年以上前の解釈が現代も通じるのか、というのもツッコミどころ。 公共図書館がこの宣言をゆるく解釈する程度でいいのか、それとも厳密に適用しなければならないのか、というのも切り口としては面白いですね。 司法業界や公務員志望の学生は法学部の先生に質問するといいでしょう。 2)行政論 これもネットで炎上している批判の一つ、「予算削減」がポイント。どこの自治体も税金の運用は適格にしたいと考えていますし、ムダ遣いが許されないのは誰もが納得するところ。 予算削減はサービス低下につながることが多々あります。一方、予算削減・サービス向上につながった例もあるはず。では、その例は何か、というのが公務員志望者なら気になりません?日本だけでなく海外の事例も含めれば、結構ありそうな気がします。 指定管理者制度でCCCを指定管理者にしようとしているところも興味深いですね。民間の活力を導入使用して始まった指定管理者制度は結局、自治体の外郭団体しか応募できない事例が多数を占めています。これも何がまずくて、うまくいっている(おそらく少数)事例はどこか、など調べていくと面白いでしょう。 3)ネット論 ようやく本題にたどりついた(笑)。 樋渡市長の一部のコメントだけでツイッターアカウントが炎上。さらにブログの 「もうTwitterは議論する場じゃ無いよね。2ちゃんねる化してる。その点Facebookはやはりまともでしたね。やっぱり、実名が一番」 とのコメントにも批判が殺到。 ●「日本ツイッター学会長」を名乗る人が、「Twitterは議論を深めるには適してない」との発言はおかしい なんか、こういう批判が出ること自体が私は「2ちゃんねる化」だなあと思うわけです。 学会を名乗ったからと言って、批判コメントがダメ、一方的な賛美のみ許されるなんて誰が決めたのでしょうか。 学会内でテーマそのものへの批判論さえ許されないのであれば、それこそテーマそのものへの冒とくというものでしょう。テーマそのものへの批判論を徹底的に封じこめた原子力工学関連の学会が結果として福島原子力発電事故の前ではただただ無力だったことを多くの人は知っているはずです。 私はツイッターだけでなく、フェイスブックでも議論はことごとく敬遠するようにしています。自分にとってはあくまでもゆるーくつながるツール。それと仕事と関係あるなしに関わらず面白そうと思えばそこから人間関係を広げるためのツールでもあります。 なので、批判コメントに対しては「貴重なご意見ありがとうございます」。議論ふっかけ気味のコメントに対しては「そうですね」「参考にします」などで強制終了。ええ、誠実さのかけらもございません(笑)、だって面倒だし。 なので、樋渡市長や私の相方・山内太地などがSNSで議論をしているのを見ると、すげー、絶対俺には真似できねーと思うわけです。 議論自体が嫌いというわけではありません。むしろ好き。それと一時、SNSでも議論可能と思っていた時期がありました。 それが今はSNSでの議論をことごとく敬遠しているか、というと、同じレベルかどうか、というのがSNSでは不明瞭だからです。私からすれば実名のフェイスブックでも同じ。 例えば、 「地域振興のための大学誘致をしたい」 との議論が出てきたとしましょう。樋渡市長はそんなこと言いそうにないですが、まあ仮に、です。 これが直接会っての議論なら、地域振興を名目にした大学誘致がことごとく失敗している前例を知っているかどうか、などがちょっと話せばすぐ分かります。あるいは、こちらが知らない情報、例えば自治体の都合などを開陳してくれるかもしれません。 会えばいくらでも話が弾むでしょう。それがSNSだと私は正直、期待できないのです。 というわけで今後もSNSはどう言われようと、私はゆるーく使っていく所存です。 あ、ネット論としては、このSNSの使い方なども調べていくと面白いかな、と。 『大学の思い出は就活です(苦笑)』の発売前後から20以上の生協を訪問した石渡です。
多少効果あったのか、アマゾンでの絶不調とは裏腹に生協では好調のようです。 こういう話をすると「なんでそこまでするの?」と言われます。私からすればやって当たり前なんですが、だんだんと「印税生活」への誤解が根底にあると分かってきました。 印税生活、というと 「印税が入って笑いが止まらない」 というイメージを多くの方はお持ちです。 が、これはある部分だけしか見ていないわけで。私の見たところ、「印税生活」には4パターンほどあります。 パターン1:出した本の複数冊が10万部越え。印税だけでも十分な年収が確保できる。 パターン2:出した本は初版止まりがほとんど。印税はお小遣い程度にしかならない。が、本業が他にあって、商業出版は、箔付けになる。 パターン3:出した本の複数冊は2万部を越えるが、10万部越えはゼロか数冊程度。本業が他になく、印税が収入の相当割合を占める。 パターン4:出した本は初版止まり、かつ、刊行点数が少ない。印税はお小遣い程度。本業を雑誌記事など他に置いており、生活はどうにかなる。 パターン1は、有名な小説家やノンフィクションの世界だと過去にヒット作を出した方、例えば山田真哉さん、城繁幸さんなどが有名なところ。 このパターンまで昇華すると、著作が本業でも結構、裕福な生活を送れます。テレビ・ラジオもレギュラー出演の話は来るでしょうし、自治体・企業主催の講演も結構来るでしょう。講演料もまあ二桁越え、雑誌連載も途切れることなく、書籍企画もちょこちょこ来ます。 さらに昇華すると、森永卓郎さんのようにテレビに出ずっぱりになるか、猪瀬直樹さんのように政治家に転身するか、など、パターンは色々ですがそこはまあ置いておきます。 パターン2はコンサルタントなどに多いですね。 出しては外すの繰り返しで売れず、粗製濫造と批判されてもどこ吹く風。本業が他にあるので、印税がそれほど多くなくても生活には影響がありません。 パターン4は新人ライターによくあるパターンです。当初の意気込みに反して本は案外売れない、だけど雑誌記事執筆がメインでそちらの原稿料が収入の大半を占めています。大変ではありますが、印税は基本あてにしていない、という点ではまあパターン2と同じで気楽です(そうでない人もいるだろうけど)。 問題はパターン3。これ、私が当てはまります。ヒット作があって、そこそこ出版企画が来たり、こちらが持ち込んでも門前払いということはなく、毎年何冊かは出せる、だから雑誌記事はメインにはしづらい、という状態。 これ、事情を知らない人からすれば 「著作がいっぱいあっていいですね~」 まあ出版の機会に恵まれているという点ではありがたいです。が、収入という点では相当きついです。 1冊書き上げるのに最低4か月として、初版1万部・定価800円・印税率10%だと80万円。月20万だと牛丼屋とかコンビニでフルに働けばいい勝負ですよね? しかも、コンビニだと交通費とか制服などの経費は雇用者持ちですが、書き手の場合、交通費も経費も完全に自己負担。それは税務申告のとき経費として落とせるじゃないか、という反論もあるのでそれを差し引いても牛丼屋・コンビニバイトと同レベルですよ? もちろん、出した本が当たれば、「倍率ドン!さらに倍」(元ネタはクイズダービーとか説明しても古すぎるか…)てなもんで、収入は一気に増えます。先ほどの計算で増刷1万部なら、印税は累計160万円。おお、月あたり40万円。 ところが、そうそううまく行かないのが出版業界。 私の場合は以下の通り。 ●大当たり 『就活のバカヤロー』(2008年)…累計12万部(共著) ●中当たり 『15歳からの大学選び』(2004年)…累計2.6万部 『最高学府はバカだらけ』(2007年)…累計5.5万部 『アホ大学のバカ学生』(2012年)…累計4.5万部(共著) ●小当たり 『15歳からの大学選び トレンド業種志望編』(2005年)…累計1.4万部(共著) 『転職は1億円損をする』(2008年)…累計1.35万部 ●増刷なしもほぼ完売 『時間と学費をムダにしない大学選び』(2008年)…1.5万部 『進路図鑑2010』(2009年)…2万部 『時間と学費をムダにしない大学選び2011』(2010年)…1.5万部 『時間と学費をムダにしない大学選び2012』(2011年)…1.5万部 ●外れ 『学費と就職で選ぶ大学案内』(2003年)…0.6万部 『強い就活』(2009年)…2.3万部 『ヤバイ就活』(2009年)…1万部 『就活のバカタレ!』(2010年)…1万部 『就活のしきたり』(2010年)1.2万部 ●刊行2か月以内 『大学の思い出は就活です(苦笑)』…初版1.2万部 『最辛大学ガイド2013』…初版1.5万部 刊行2か月以内の2冊は別として、増刷した本を「勝ち」、増刷なし・ほぼ完売を「引き分け」、売り上げ不調を「負け」とした場合、私は6勝5敗4分けとなります。うーん、微妙(笑)。 おそらく、私が出版企画の話を持っていけば一度は話を聞いてくれる出版社がほとんどでしょう。で、ある程度は通ると思います。現に今年秋~来年春ごろ刊行の話、すでにもう動いていますし。 出版の話が通る、ということはその分だけ雑誌記事をメインに、という話から遠ざかります。それでいて、出した本が売れないとコンビニ並み。もうお分かりですね?私が今いるポジション「パターン3」は「印税はお小遣い程度」で十分のパターン2・4でもなく、「印税がたくさん入ってくる」のパターン1でもありません。文字通り「印税で生活している」、言い直せば「印税が入らないと生活が成り立たない」状態なのです。 そういう状態であれば、本を売ることに熱心になって当たり前です。特に、3月刊の『大学の思い出は就活です(苦笑)』は、私がい事前に懸念した通り、就活本と誤解されています。大学生活本ですから、と訴えるためには直接行くしかないわけで。 ちなみに、講演はパターン1に入れば企業・業界団体・自治体主催のものがどんどん来て、いい金額、ぶっちゃけると2ケタもらえます。が、私の場合、本の販促とセットなので交通費程度。学生主催だとタダです(それでもいいと光文社新書・ちくま新書に明記しましたし)。 さすがに詳しい金額は控えますが、そんなわけで、ライターになって以降の年収は『就活のバカヤロー』バブルに沸いた(笑)、2008年を別とすれば同年代サラリーマンといい勝負、下手すれば負け、というあたりです。 ときどき「印税がたくさん入って笑いが止まらないでしょう」と言われますが、あのそこまでではないですよ、という備忘録として今回は書いてみました。 高校の同窓会でもよく言われるのですが、そういうときは 「同窓会には顔を出せるほど稼いでいるし、借金を申し込むほどにはひどくない。だけど、『よっしゃ今日は俺のおごりだ』と言い切れるほどには儲かっていない」 と答えると大体は納得してくれます。 あー、だけど、うちの高校の同窓会、ラグビー部・柔道部出身者がやたら多いせいか、よく飲むんですよね。この間なんか、午後3時からスタートで4次会は深夜3時くらいまでって、お前ら12時間も飲み続けてどうするよレベル。 アルコールに弱い私はビール1杯、ウーロン茶3杯につまみちょっと食べて8000円って何の罰ゲームですか状態。 業務連絡:北嶺高校同窓会関係者の皆様へ 石渡嶺司は同窓会があれば顔を出せるほどには稼いでいますが2次会以降に参加し続けるほどには儲かっていません。ついでに体力もないのでご勘弁を。 昨日(4月22日)のヤフーニュースでトップに来ていた「国際教養大の躍進」。これにコメントしていたせいか、やたらとフォロワーの増えた石渡です。 2004年開学なのに、開学6年目とか、就職支援はさほど重視していない(しなくても結果的にどうにかなる)のに「きめ細かい就職指導」になっているとか、ツッコミどころの多い記事ですが、私はコメントを出しただけなのでそこはスルーで(笑)。 色々、誤解のある記事ですが、人気が高くて、結果論として就職実績が高いのも事実。これでまた国際教養大「株」が上がるのでしょうねえ(と遠い目)。 人気が上がるのは結構。しかし、こういう結果だけ見て国際教養大の後追い学部(国際教養系学部)を新設する大学関係者が増えるであろうことに強い危惧を覚えます。 おそらく、国際教養系学部を新設しようとする大学関係者の発想としては ●国際教養大が成功している ●教養教育が見直されている ●早稲田、明治、法政、関西学院などで国際系・教養系学部の新設が相次ぎそれなりに成功している という結果だけ見て判断するのでしょう。 ところが、追手門学院大(文学部→国際教養学部)、富山国際大(人文社会学部→国際教養学部→現代社会学部)はじめ国際教養大の後追いをやって(時期が重なっただけかもしれないけど)、こけた例もかなりあります。 ここで 「国際教養大だけでなく、早稲田大や明治大など成功例はいくらでもあるじゃないか」 との反論もあるでしょうけど、これに対しては次の仮説をクリアする必要があります。 ●国際教養大は公立大。元々、一定の学力がある学生が集まっている。それをさらに伸ばしているのではないか?早稲田、明治、関西学院など成功している私立大の国際教養系学部も偏差値の高い難関大、準難関大ばかりではないのか? 国際教養系学部を作ったところで受験生が増え(百歩譲って現状維持)一般入試がきちんと成り立っている(志願倍率で3倍超)大学を「成功」、それ以外を「失敗」と分類してみます。 ●成功 国際教養、獨協、国際基督教、上智、法政、早稲田、中京 ●失敗 東京女学館、富山国際、追手門学院、桃山学院、宮崎国際 成功例のうち、一番偏差値(代々木ゼミナール)の低いのが獨協大の58、その次は中京大の59。他は全部60台。 失敗例は東京女学館48、富山国際44、追手門学院43、桃山学院47、宮崎国際45でいずれも50台の大学が不在。 偏差値だけではありません。代ゼミ入試データを見るとデータ未出の宮崎国際以外は全部、受験生を前年度から減らしています。 つまり、中堅以下の大学については国際教養系学部はそれほど支持されていないことが明らかです。 身も蓋もない言い方をすると 「国際教養系学部は偏差値が高い(受験生集めが期待できる)公立大、難関~準難関私大では成功、中堅以下の私大では失敗」 という結果の方がより説得力があると思うのですけどねえ…。 しかも富山国際大は国際教養学部を現代社会学部に変えているし、少し前には倉敷芸術科学大も国際教養学部をスクラップしています。 もちろん、大学経営幹部が 「偏差値の高い低いに関係なく教養教育を展開したい」 という思いを持つのはそれはそれで評価します。しかし、そうなると 「国際教養大が成功したからうちも」 という発想に基づくのはそもそも間違いで、国際教養大とは違う特色を出していかないと、学部改組をしなければよかった、ということになりかねません。国際教養系学部ではないけど、国際系学部では共愛学園前橋国際大が成功モデルとしてもいいかなと思うのですが、それはまたいずれ。 私はマーケティングについては専門家でなく、単なる素人です。その素人から見ても国際教養系学部最高っすよという話は上記のデータから考えると非常に危険だな~と思うわけです。 こういう話、国際教養系学部作ると受験生がんがん来ますよ、という大学コンサルタントからすれば営業妨害もいいところかな、まあ、いくら嫌われても知ったことではないですけどね。 大学がどうこう、ということをテーマに取材・執筆していると「うちの大学の受験生を増やすにはどうすればいいか?」とのご相談をいただきます。
私は別に大学コンサルタントではないので(ホント)、取材結果に基づいてああだこうだ、とお話することはできます。喫茶店でお話しすることもありますし、講演や勉強会の場を設定してもらってお話することもあります。 もれ伝え聞くところでは、本職の大学コンサルタントは学部名を適当に付けるだけで100万円単位、1000万円単位だそうでうらやましい。学部名って、せいぜい5~20字程度。戒名一つでバカ高い「お志」をふんだくる悪徳坊主も顔負けの商法。もういっそ、俺もそっちの方に行こうか、いやいや、どうせなら、裏でコンサルタントやって変な学部名を付けて、表で「今どきの大学、変な学部名、多いですよね」と評論するとか。 ごほん。大学が受験生を増やそうと日夜苦心していることはよく分かります。でまあ、そういう苦労を茶化してご飯を食べさせてもらっている私としては自分の本を買ってくれたらいいので、とご協力できるところはいくらでも。ほら、だまされた、と言ってもせいぜい1000円前後。1学年100冊買ったって10万円じゃないですか(100冊買わなきゃご協力しません、というわけではない、多分)。 というわけで第一回(いや、次あるかは知らないけど)は地方会場入試。 明治大が早稲田を抜いて受験者数日本一になった一因が地方会場入試の実施と言われています。大学キャンパス以外での実施が札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡。明治大の前には立命館大も地方会場入試を積極的に展開、それを全国の私大のみならず国立大でも導入するようになりました。 当然、手間もかかるし、お金もかかるしで、受験生が集まらないと大学経営を圧迫します。大学教職員側は「うちはこれだけ苦労しているのになぜ集まらない、やはり大学は冬の時代なのか」とつらい思いをするわけです。で、そういうところに私がアホだバカだと書くものですから「外部の人間が苦労も知らないで偉そうに、キッー」となるわけで。 私の書いたものの評価は甘受しますが、地方会場入試については(それ言ったらパンフでも教育内容でも何でも)、違う方向でいらん苦労をしているから受験生が集まらないだけじゃないかな、と。 受験生集めでも何でも目的の整理と順番付けが大事です。それでは、地方会場入試についてはどうでしょうか。 「地方の受験生を増やす」 ということですよね?これしかないはずだ。 「地方会場入試の最寄の歓楽街で一杯飲むため」でも「コンサルタントに言われたから実施する」ではないでしょう。 「地方会場入試によって(受験生が少なかったとしても)大学の認知度を上げる」というのは一見、もっともらしいけど、それなら違う方法を選ぶべきです。 「受験生を増やす」というなら受験生の側はどうでしょうか。 「移動してまでは受験したくない。でも、自宅近辺で入試会場があれば受けてみたい」 そう思わせなければ受けてくれません。明治大や立命館大などが地方会場入試で受験生を増やしたのは、地方に潜在的なニーズがあったからでしょう。それと、札幌なり広島なり地方だと国公立志望者にとって、適当な併願校となりうる私大が少なく、全国区の難関大・準難関大を受けやすい、という事情もあります。 では次の事例はどうでしょうか? 例1)東北・国立A大学(工学部のみで実施/偏差値55) 東京で実施 例2)北海道・私立B大学(経済系学部、国際系学部/偏差値45前後) 旭川、北見、帯広、函館、釧路、仙台、青森、東京で実施 ※キャンパスは札幌 例1の国立A大学の偏差値は55。首都圏の国公立工学部は上は東京大から東京海洋大などもある激戦区。関東圏まで広げればもっとあるわけで、東北の国立A大学を東京の受験生がわざわざ受けるかというと正直厳しいでしょう。 例2の私立B大学も同様。偏差値60~65の明治大、立命館大などであれば仙台でも青森でもわざわざ併願しようか、となります。しかし、偏差値45前後の私大であれば仙台にも青森にもあります。そこを蹴ってまでわざわざ北海道の大学に行かなければならない理由は青森や仙台の受験生にはそうそうないでしょう。 まして、東京で実施、というのは無謀すぎ。いや、気持ちは分かりますけどね。 事情を説明すると1980年代後半~1990年代前半に、私大がやたら人気化して、日東駒専でも結構高倍率だったとき、北海道の私大に東京の受験生が一部流れたのです。予備校の教室1部屋どころか10部屋でも足りないくらいだった、と前に聞いたことがあります。 でもねえ、それってバブルの幻影を追っているようなものなんですよ。今だと教室1部屋、それも何人集まるかな、という状態がずっと続いているのだし。 話を戻します。 「受験生を増やすため」が地方会場入試の目的なら、そのために「受験してくれそうな受験生の多い地方会場で開催する」、そのためのリサーチが必要です。 ここで、「人数が少なくても地方会場入試を開催していれば宣伝効果がある」という発想は却下。宣伝効果を狙うなら、新聞広告とか他の手段の方がもっと有効ですよ。 「OB会の要請があったので仕方なく」というのもダメ。その要請が、経営上合理的なものかどうか、冷静に判断して受けるかどうかを決めるべきです。要請だって「ここで実施すれば受験生がこれだけ集まる」というものか、「他でやっているならうちもやってほしい」程度なのかで変わってきますし。 では地方会場入試が無意味か、と言えばそんなことはありません。難関・準難関大ならOKで他がダメ、というのでもなく。 大学側が、とか、OB会が、とかそういうのを抜きにして、受験生のニーズにあっているかどうかなんです。 その好例がこちら。 例3)東京農業大・偏差値51~57 札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、福岡、立川、池袋、津田沼、町田、横浜 ※キャンパスは世田谷(豪徳寺)、厚木、オホーツク。厚木では入試を実施せず 私が以前、某ビジネス雑誌で「偏差値50のお得大学」特集で東京農業大を出したところ、「うちは偏差値50でないのにいい迷惑」とそれはそれは東京農業大に嫌われました(いいじゃないか、偏差値50台で、という意味なんだし、ぶつぶつ)。そういうゴタゴタはともかく、私は東京農業大を高く評価しています。教育内容もですが、入試も同じ。地方会場入試の実施会場をよく見てください。 「札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、福岡」 この辺はまあ、よく地方会場入試で設定される都市。東京農業大は偏差値50台とは言え、全国区の大学ですから、ここは間違っていません。特に醸造科学学科は杜氏の子弟の進学先としても有名。なので、新潟も受験会場に設定しているのでしょう。 東京農業大がすごいのはここ。 「立川、池袋、津田沼、町田、横浜」 なぜか、厚木キャンパスでは入試を実施しないので、代替地として町田、というのはまだ分かります。しかし、世田谷キャンパスから30キロ圏内の立川、池袋でわざわざ実施。世田谷キャンパスから立川だと直線距離で15キロありません。 私はこの東京農業大の地方会場の設定こそ、他大学が見習う好例、と考えています。つまり、受験生の利便を図りつつ、受験してくれる潜在的なニーズがあるかどうか、そこを冷静に見ているからです。 普通の大学からすれば横浜、津田沼はもちろん、15キロも離れていない立川でわざわざ入試会場を設定する必要はない、それでおしまいです。 しかし、立川の受験生にとってはどうでしょうか。入学すれば通学するのに時間がかかるのは仕方ないとしても、入試日には時間がかかって負担、それなら受験するのをやめようか、となるわけです。実際、立川から東京農業大の最寄駅・豪徳寺までは電車で45分。そこから徒歩だと約1時間。しかし、立川に入試会場があれば、移動の手間が省け、それなら受けてみよう、という受験生も増えます。 この東京農業大の話をすると、大体の入試関係者は「うちも同じことをやっている」との答え。例2の私立B大学もそう。 一見すると、函館、釧路、旭川、北見、帯広という道内主要都市での開催が同じと言えなくもありません。しかし、地図で調べれば分かりますけど、札幌から一番近い旭川でも140キロ。これのどこが「立川、池袋」と同じなんでしょうね?旭川から札幌に通学するのは不可能ではないけど、いや、それはちょっと違う。 「東京農業大/立川、池袋」と同じ発想で札幌の私大が実施するなら試験会場は小樽、苫小牧、岩見沢、千歳、北広島、江別などですよ。 一応、札幌の私大、一通り調べましたが、遠隔地では入試をやっていても、近場ではどこもやっていませんでした。うーん、なぜ潜在的ニーズの多そうな近場で地方会場入試をやらずに、どう考えてもニーズのなさそうな遠隔地で実施するのか、意味不明です。 ちょっと前に知人から会って入試の知恵を貸してやってくれ、とある私大関係者を紹介されました。そこであれこれ話をすると、「言われたことは全部やった」「それでも受験生が集まらず苦しい」。 そう言われては、何もアドバイスしようがないので、はあ大変ですね、でお茶を濁してその後それっきり。 このコラムを書くにあたって、そう言えば受験会場、どこだっけ、とこの大学のサイトを見ると 「本学、東京」 この大学の偏差値は43。下から数えた方が早い大学に東京の受験生が集まるべき、との思い込みはなかなかのもの。 それとも、歌舞伎町あたりで一杯飲むために、わざわざやっているとか、どうせ潰れるのだから、その前に経費で豪遊する口実として、とか。そんな理由でないことを切に願います。 地方会場入試で志願者を増やしたいのであれば、潜在的なニーズがどこにあるのかを冷静に調べて、そこで開催した方がいいでしょう。私立大でも国立大でも。 地方会場入試ではもうちょいアイデアがありますが、それはまあ、会った人限定ということで。ヒントは「大学は受験以外では似たようなことをすでにやっている」。「受験以外」でばれているような気もしますけどね。 ①人気作家の場合
新刊が出る ↓ すぐ売り切れ、版元、すぐ増刷対応できず ↓ 「てめえ、すぐ増刷しやがれ」 ↓ 版元、あわてて増刷する。 ↓ 次の新刊、初版部数を上乗せ ↓ さらに売れて、また売り切れ ↓ 好循環でハッピーエンド ※池井戸潤「『下町ロケット』在庫切れの情報を集めています」などを参考にしました ②中堅の書き手であまり売れない場合その1 新刊が出る ↓ あまり目立つ場所にない。売ってほしい書店に置いていない ↓ 対版元「なんで、ちゃんと営業・宣伝しないんだ、バカヤロー」 対書店「もっと目立つ場所に置いてくださいよ。それと、この本は×コーナーの方がもっと向いています云々」 ↓ 版元「なんだ、あいつはむかつくな」 書店「なんだ、あいつはむかつくな」 ↓ 返本の嵐でさらに売れなくなる ↓ ブログやツイッターなどで「今の出版業界はろくでもない。私の名著を版元の営業もちゃんと売らないし、書店もいい加減な対応しかしない」などと愚痴る ↓ 書店への著者営業でも大演説をぶって、版元への苦情電話殺到 ↓ 悪評が回って次の依頼が来なくなる ↓ 悪循環でバッドエンド ③中堅の書き手であまり売れない場合その2 新刊出る ↓ あまり売れない ↓ ブログ・ツイッターでステマを展開もあまり効果なし ↓ ブログで「講演依頼、激しく受付中。ポップなども希望される書店さんに送ります」などと書く ↓ ものすごくファンの書店員以外まず読まないのでスルーされる ↓ やっぱり売れないが、本業が別にあるのであまり経済的な影響は、ない。 ↓ 商業出版ができたという時点で満足なので売れない本のことはなかったことにする ↓ 別の依頼が来ると、過去のものとどう書き分けるか深く考えずに飛びつく ↓ 「今回は力を入れて書いた、魂の名作」などと宣伝も同じ内容ばかりなので段々と「粗製濫造」の評判が立つようになる ↓ やっぱり売れない ↓ 悪循環でバッドエンド。でも、本人はたくさん出せて幸せ(かも) ④中堅の書き手であまり売れない場合その3 新刊出る ↓ あまり売れない ↓ そもそも売れる見込みのある書店に置いていない ↓ 感情論より現実論、置いていなくて版元営業が動きそうにないなら自分が行くしかないでしょ ↓ 書店訪問 ↓ 相手が忙しそうなら:1分で終わらせて退却 相手が時間を作ってくれるなら:熱弁振るってついでに追加注文も取る(でも5分で切り上げる) ↓ なんなら講演企画などもセットにする。いずれにせよ、自分が楽する、ということはない ↓ 売れないのは配本だけでなく、本の内容にも何かあるはず、と再検証 ↓ 次の依頼で過去の本と同内容なら断る。過去の本との書き分けを考えつつ依頼を受ける ↓ それでも売れずにバッドエンド? ②と③は特定のモデルはいません(ええ、いませんともさ)。で、④が自分。 正直、あちこちの書店を回ることが著者の仕事か、と疑問に思うこともあります。が、現実は売れる見込みの書店に置かれていない、でも誰も案内に行かない、放置すれば書店に気づかれず売れないまま。で、感情論を言い出すとまあ醜い争いになって、泥沼化ですよね。現実問題としては動ける人が行くべきでこの場合は自分。それに売れたら売れただけリターンがあるわけだし。 チャートに書いた通り、書店さんがお忙しい様子なら最短1分で切り上げます。これも相手があってのことだから。 売れない理由を自分以外に求めて、自分以外のみの責任を追及してわあわあ騒ぐというのは、商業出版デビューできないZ氏と五十歩百歩。私はそうはなりたくないし、仮にそこまでやって売れなかったとしても、やるべきことはやった、と思えます。 学生であっても社会人であっても、私のようなフリーランスであっても、うだうだ文句を言うとか政治が悪いとか言うのは5%ぐらい。あとは自分で動かないとだめですよ。と言い張る以上は自分で動かないと。 というわけで、発売以来、暇を見てはあちこちの大学生協などに出没しています。今日もこれから横浜方面へ行く予定。 1~4月の連続刊行(3冊はやっぱ、無理あったと思う)が一段落して、やれやれと気が抜けた先日、こんなメールが届きました。名前を仮にZ氏としておきましょうか。
●Z氏からのメール はじめまして 前の土曜にH社、T氏と電話で話し、前の月曜日の午後4時にK氏から折り返し電話をしますとの事でしたがかかってこない。 待っていたのに。不義理。 力の入ったメールと△pファイルも送ったのに、pdfにしとこうかとも考えたが無防備なテキストで送ったのに テーマは△△、△△△、△△△関連など いそぎ よろしければ詳しくはお電話で ps 大卒じゃないのに一足飛びに教授や講師になれればそれをもって大卒資格をあげてもいいのに(以下中略)じゃあ、最短19歳で大卒資格、院卒になれるのか?企業はそう見てくれるのか?司法試験などは? ※原文ママ、固有名詞は伏字。無署名 最初、このメールを見たとき、知り合いの約束を私がすっぽかしたか、と思いました。何しろ、署名も何もなく。しかし、よーく見ると、今までに受信したことのないメールアドレス。 企画売り込みをしたい人なんだな、とようやく気づきました。しかし、それならなぜ、無署名で送るのか。まして「詳しくはお電話で」とある割に電話番号など連絡先なども一切なし。うわ、面倒くさ~。スルーしようか、とも思いましたが、自分の新人時代の企画売り込みを考えると気持ちは分からないでもありません(それだって、名乗ることくらいはしたけどさ)。 というわけで返信したのがこちら。 ●石渡の返信 Z様 はじめまして。ライターの石渡と申します。 △社の件をなぜ私にメールで送られるのかは不明ですが、一応お返事します。 結論から申し上げますと、私はあなたのお力にはなれません。細かい事情は当方には分かりませんし、また、それはあなたが解決すべき問題です。 おそらく、△社へ商業出版の売り込みをかけられたもの、と推察します。その場合、このままであるなら、商業出版は断念されることをお勧めします。 理由は3点あります。 第一に、自分で解決すべき問題を第三者にいきなりメールを送り、かつ、どこの誰か、名乗りもしていないこと。 初めてメールを送る相手にはどこの誰か、名乗るのが当然の礼儀でしょう。 最低限の礼儀が出来ていないのであれば、商業出版の編集者は△社に限らず、誰であっても敬遠するでしょう。まず、その点を反省してください。 第二に、自分の苦労のみを強調していること。 「力の入ったメールと△pファイルも送ったのに、pdfにしとこうかとも考えたが無防備なテキストで送ったのに」 とありますが、それはあなたの都合でしょう。自費出版と違い、商業出版は著者だけでなく編集者や営業、書店など多くの人の共同作業です。別に△社(あるいは他の出版社)の編集者に服従しろ、というわけではありません。相性の問題もあるし、企画の質の問題もあります。様々な要素が絡み合って商業出版の是非が決まるわけです。 付言しますと、17冊刊行した私でも、ボツになることはよくあります。放置されるということもそれなりにあります。昨年の例で言うと、一度、企画会議が通った話を、編集方針の対立によって、私の方からボツにしたことがありました(相当まずい話です)。 ここで、編集方針が対立した編集者の悪口を言うわけではありません。この方は編集者として相当実績のある方でしたし、仕事熱心な方でした。一度決まった話をこちらからボツにするのは、自分にとって相当マイナスです。が、それでもボツにしました。相手の編集方針を呑むと、こちらの過去の本まで否定することになりかねないからです。 要するに、いくら力を入れていても、ボツになる、仕事がうまくいかない、というのはよくある話なのです。 第三に、連絡がなかった程度でイライラするようなら、商業出版デビュー後、体と心が持たないことです。 私や、著書の多い書き手のアマゾンレビューを読んでください。読者からの様々な批評が書かれています。批評だけでなく、一方的な中傷・批判としか思えないものも多々あります。アマゾンレビューだけでなく、ツイッターやフェイスブック、ブクログ、ブログなどでも同様です。いくら、頑張って書こうと面白くなかった人には面白くなかった、と言われるだけです。ネットだけではありません。面と向かって言われることだってあります。 ネガティブな反応に対して、過剰に反応される書き手の方もいますが、私はいかがなものかな、と。批評・批判への再批判は泥沼化するだけですし、一番の問題は書き手本人が消耗してしまうことです。 それよりは、ネガティブな反応に対してある程度、スルーした方が気楽です。 企画案へのボツに対しても同じ。ダメだったら次の版元を当ればいいだけです。 それを、ちょっと連絡がなかったくらいで、不義理だ、なんだと憤るようでは、仮に商業出版デビューできたとしても、心が持たないでしょう。 上記3点の理由から、私はあなたが商業出版には向いていない、と判断せざるを得ません。 もし、商業出版デビューをしたい、ということであれば、何がまずかったのか、企画内容だけでなく、一連の行動を猛省した上で、どうすればいいか考えてみてください。 石渡嶺司 拝 これで少しは我が身を振り返るのかと思ったら、Z氏からの返信。 ●Z氏からのメール・2通目 △社の件をなぜ私にメールで送られるのかは不明ですが あなたの記事も参考にしたからですし容易に想像がつくと考えます > 初めてメールを送る相手にはどこの誰か、名乗るのが当然の礼儀でしょう。 最低限以上は書きました。私もあなたの実像を何も知りません 著名人のエゴでしょう >最低限の礼儀が出来ていないのであれば、商業出版の編集者は△社に限らず、誰であっても敬遠するでしょう。まず、その点を反省してください。 かってから付き合いのある強いほうについたにすぎない論理です > それを、ちょっと連絡がなかったくらいで、不義理だ、なんだと憤るようでは、仮に商業出版デビューできたとしても、心が持たないでしょう。 取り乱してはいません 一寸の虫にも五分の魂 傷つけられたら牙をむけ自分を無くさぬために あなたにも△賞応募資格があるわけですがどうしますか? psについてはどうでしょうか? ※相変わらず無署名 …。やべえ、こいつ、日本語通用していないよ、ママン。名乗るのが礼儀じゃないの、と書いたら「著名人のエゴ」と返信してきやがったよ。「一寸の虫にも五分の魂」とか使いどころ間違えているよ、ママン。 これ以上のコミュニケーションは無理、と判断して送ったのがこちら。 ●石渡の返信・2通目 Z様 石渡です。メール拝受しました。ご質問の件については回答する必要なし、と当方は判断しましたので差し控えます。 また、企画案についてもこれ以上のコメントは差し控えます。以後、メールをいただいても返信しないことをここに通告します。 商業出版に向けてZ様のご努力が実るようお祈り申し上げます。 石渡嶺司 拝 就活で言うところのお祈りメールですね。実は全然祈ってもいない、という。 すると、Z氏からのメールがまた来ました。 ●Z氏からのメール・3通目 (いい企画だったらパクッてやれ、げへへへへ)とか思わないでもないです。 冗談とは思いますが嘘から出た真、こういうこと一切なきよう願う。 追加の問いかけはしませんが既に送付済みの件についてだけは何らかのお返事をいただきたいもの。 ご著書にもあるような健全なる批判精神を他の強者に対しても見せてもらいたい ※相変わらず無署名 だーかーら!!名乗れって言ってんだよ、エゴでも何でもいいけどさあ。 「いい企画だったら~」は、私のブログ記事「それでも商業出版デビューしたい方のための8つのルール」の冒頭部分ですね。 全く、こんなくだらないジョークを真に受けている時点でがっかり味ですよ。そりゃ、『アホ大学のバカ学生』が「大衆迎合」「大学と学生をバカにし過ぎ」と叩かれたり、NHKがエープリールフールでちょい冗談をつぶやいただけでクレームをつけたりする世の中だけどさあ。 仮に企画を盗むとしても、私のところにはテーマがわずか1行のみ。これでどうやって盗むというのでしょうね?透視能力があるとでも?あるならあるで、こんな署名一つできないアマチュア未満の企画よりは、もっと著名な人の企画を盗みますけどねえ…。あ、こういう冗談もアウトなんだっけ(うわ、うざー)。 読者からのメールをこのような形でさらしものにすることはこれまでにありませんでした。が、今回のケースはあまりにもひどい、ということで、ここに全文を掲載します。ついでにZ氏はこのブログを見ているようなのでお伝えしておきますが、以降、返信などは一切しません。お一人で頑張ってください。 商業出版デビューをしたい人は、ついつい盲目的になりがちです。実は私もライターの前の編集プロダクション勤務の前、確か2001年ごろ、一度、商業出版企画を考え、数社に送付。しかも、そのうちの1社には何度も電話をしました(ああ、恥ずかしい)。 デビュー前の身ゆえ、企画が通ったかどうかやはり不安なわけです。しかし、編集者からすれば、よほどすぐれた内容でなければ、商業出版する意義がなく、また、連絡する義理もありません。通常業務も忙しいわけだし。デビュー前の私はそのことに気づいていませんでした。あのときの編集者さん、ごめんなさい。 もし、これから商業出版デビューをしたいのであれば、私にメールを送ってきたZ氏を反面教師とすることを強くお勧めします。 企画案(あるいは見本草稿)を送って、出版社に連絡するとしたら2週間くらい空けること。そこで脈がないようなら、他社に持って行った方がいいです。 まあ、そもそも、自分勝手な理屈ばかりではどうしようもないのは商業出版だけではないですけどね。 「ひどいタイトル・いい内容」として定着した『アホ大学のバカ学生』(光文社新書)。今のところ、タイトルだけのご感想は
「こんなひどいタイトルは許せない」 「真面目にやっている大学と学生をバカにし過ぎ」 「壮大なる釣り」 「ちょっといただけない」 「極端なる大衆迎合」 など様々。 一番多いのは 「こういうタイトル付ける編集者ってろくでもないですね」 これを言われたとき、 「いやあ、ほんと、こちらも被害者ですよ」 などと被害者面して逃げ込むのもいいですが、そうもいきません。何しろ、このタイトル、強硬に主張したのは私であって、編集者はストップをかけた側なのですから。 経緯をご説明しますと、まず2007年9月に『最高学府はバカだらけ』を刊行。土壇場までタイトルは『アホ大学のバカ学生』でした。しかし、初稿段階でストップがかかります。当時の編集者の判断によって『最高学府はバカだらけ』に差し替えました。 『最高学府はバカだらけ』『就活のバカヤロー』(2008年刊行)の担当編集・柿内さんは2010年に星海社へ移籍。続編を考えていた私は秋に『アホ大学のバカ学生』企画を提案、すぐ通過します。 私がこのタイトルを提案したのは『最高学府はバカだらけ』の予定タイトルで思い入れがあったこと、これ以上ないインパクト、そして他に適当な候補が思いつかない、この3点が理由です。 実は企画が進む中で、編集者からは 「他のタイトルも検討しませんか?」 と提案されました。色々と考えたのですが、やはり適当な候補を思いつかず。『アホバカ』で行きましょう、と伝えます。 刊行後の打ち上げで担当編集者に聞くと 「抗議の電話が殺到することを覚悟した」 とのこと。うう、すみません。が、ネットでのタイトル批判は相当数あるにせよ、抗議などは一件もなかったそうです。 相当もめたのはちくま新書『大学の思い出は就活です(苦笑)』。テーマが大学生活本なので私が推した候補は『大学生活のお約束』。 しかし、編集者は 「会議では『就活』をどこかに入れようという話になるので入れたい」 これは、そうですね、とは言えません。なにせ、大学生活ものでも、内容は 「1年生のうちから就活対策をせよ」 ではなく、 「フツーの学生生活・勉強が結果論としては就活でも強い。だから大学生活と勉強を見直そう」 なのに「就活」というキーワードをもってくると就活マニュアル本と勘違いされる可能性もあります。 「場合によっては、マニュアル本のようなタイトルになることもありうる」 との話も出たので 「それなら、企画取り下げですね」 と通告。そういうケンカ腰が仕事を少なくしているとなぜ気づかないんだ、自分。 で、すったもんだの末に候補が4案。 やっぱり「普通」が就活で勝つ! 「フツウの学生」が就活に強い50の理由 思い出が「就活です」と言わないために 人生と学費をムダにしない大学生活50のお約束 この4案を秋の講演先や知っている学生にアンケートを取りました。 1位:「フツウの学生」が就活に強い50の理由…48票 2位:やっぱり「ふつう」が就活で勝つ!…23票 3位:人生と学費をムダにしない大学生活50のお約束…19票 4位:思い出が「就活です」と言わないために…11票 「思い出」は最低得票。ま、アンケートに入れた時点で、これは一番不人気だろうなあ、と考えていたので、ここは予想通り。サブタイトルの有力候補でもありました。 ただ、この4案、書店関係者からはそれなりに不評。 「何でもかんでも就活に結び付けるのは、もうぼちぼちいいんじゃないか」 そうそう、私も同じなんですけどねえ…。 で、この意見を元に、『大学生活のお約束』を再主張するも、ここは編集者に押し切られます。そして、迎えたタイトル決定日。 「『大学生活の思い出は就活です!』に決まりました」 とのメール。 「と言わないために」はどこに?とすぐ電話で確認すると、 「長いので取りました」 いやいやいや、それは違うでしょう!「就活です!」だと、大学生活の早いうちから就活対策をやっている学生を肯定する内容と誤解されてしまいます。本文ではそんなこと、一言も書いていないわけで、読者に対して二重、三重の裏切りになってしまいます。 それ以前にそういうタイトルは絶対にイヤです、著者の意向無視もはなはだしい! というわけで強硬に反対。タイトルの最終決定権は編集部にあるとは言え、ここは譲れません。念のため、直前に講演を控えていた関西大生協さんなどに聞くと 「就活一辺倒の大学生活を思い浮かべ、誰も買わないかもしれません」 いやいやいや、売れないと、商業出版の意味がない!これは他の大学生協さんも同様でした。 売れないタイトルだし、そもそもこんなタイトルは嫌です。せめて「(苦笑)」を付けるか、当初の候補通り「~と言わないために」とするか、どちらか。と2案を提示。「(苦笑)」は第9章「面接で話せるエピソード(苦笑)」と章タイトルで使っていました。これも、当初、編集者が付けた章タイトル「面接で話せるエピソード」に私が「(苦笑)」を付けることを強硬に主張。押し切った経緯があります。第9章は資格、旅行、読書など。特に面接で話すエピソードのためとして学生が海外旅行に行きたがります。別名、アリバイ旅行。そんなのは企業からすれば苦笑、失笑もの。それを「エピソード」なんて肯定的な章タイトルは冗談じゃない、「(苦笑)」を付けますよ、と押し切りました。 この「(苦笑)」を付けるなら本タイトルもまだいいが、付けないならどうしましょうね、と提案(別の言い方をすれば脅迫)。それもあって、「(苦笑)」に落ち着きました。もちろん、新書史上初です、「(苦笑)」が付くのは。なお、9章は「(失笑)」に変わりました。 こういう、すったもんだの末に、新書2冊のタイトルは決まっていきました。今のところ、『アホ大学のバカ学生』は4万部と好調。『大学の思い出は就活です(苦笑)』は刊行したばかりなのでこれから。さて、どうなる?
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