ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


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最先端でないにしても不要でもなく有用

 私が書店を回って著者営業をしたり、自腹を切ってでも自著を定価で購入したり、広告を出す、という話を出版業界の関係者にすると結構驚かれます。

 『就活のバカヤロー』ヒットのおかげで、色々な出版社から「うちから本を出さないか」とお声がけいただきました。ただ、この著者営業の話をして、「だから出版後にはしかるべきバックアップを」という話をすると相当数が

 「うちでは無理」

 と脱落していきます。これでは一緒に出せない、とこちらからお断りしたところもあります。

 こうした私の方針に対して、批判的な方も相当数います。

 「ちょっと売れた程度で調子に乗っている」「高飛車だ」

 といわれたこともありますし、著者が営業して回ることに対して

 「品がない」

 と言われたこともあります。
 私も、しないで済む話ならそうしたいと思います。

 しかし、本が売れていない時代であり、何もしない、ということはどういうことを意味するのでしょうか?

 私は本が売れていない、という責任を書店と読者、あるいは図書館など他者に押し付けているだけだと思います。
 責任を他者に押し付けて売れるなら私もそうしますが、現実にはそうではありません。
 結局、何もしないから、書店の数は1万6000店舗にまで減少(10年前の半数)、出版業界全体の売上も2兆7000億円が2兆円近くにまで減少しています。約7000億というと、株価の時価総額換算だと全日空や資生堂とほぼ同じですよ?

 私は本が売れない責任は読者や書店だけにあるとは思いません。出版社にも執筆者にもそれぞれ責任があります。

 それから、

 「ネット全盛の時代に本が売れるわけがない」

 という意見にも同意できません。

 確かに、ネットや携帯電話に比べれば、出版という形態は時代の最先端にはありません。

 ですが、

 時代遅れで不必要なメディアか、と言えばそうでもありません。

 最先端でないにしても不要ではなく有用だ

 このことを出版社も執筆者も、もっと強く読者に働きかけていくべきです。

 私は勝間和代さんや山田真哉さんなどの著者営業に感銘を受けましたし、自分もそうでありたいと思います。だからこそ、自腹を切ってでも、POP作りが面倒でも、それで新たな読者獲得につながるのであれば、私はそのために時間を費やします。

 勝間和代さんのヒットと著者営業を見れば

 「勝間だからできた」

 私が著者営業の話をすれば、

 「そんなの自己満足だ」

 ……。

 出版にかける思いは人それぞれです。だから営業をどこまでやるか、それに正解はありませんし、ここではあれこれ批判はしません。

 ただ、私は本をメインとするライターです。
 本を売ることで生活させてもらっています。

 であれば、本が売れないことを読者のみの責任にはしません。
 本が売れないことを出版社のみの責任にはしません。
 本が売れないことを書店のみの責任にはしません。
 本が売れないことを図書館やブックオフなどのみの責任にはしません。

 本が売れないのは著者の責任でもあります。

 ならば、本を売るためにも、私は著者として書店を回ります。

 それが著者としての矜持です。

 もし、それが下品ということであれば、私はいくらでも下品になります。
 下品と言われようとも、自己満足と言われようとも構いません。
 本の売上を伸ばす解決策が他にない以上は私は私の考える手段を選びます。

 「うちで本を」とお考えの編集者様には私の方針をご理解いただければ、と思います。

 まあ、ひとことでまとめれば「面倒な著者」ということなんですが(笑)。
by reiji0 | 2009-02-27 14:13 | 日記