ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


by reiji0
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『就活のバカタレ!』まえがき/就職の語源

 2010年は上海万博の年です。だから中国の話をしましょう。
 今から約1700年前のこと、当時の皇帝はある地方にいる秀才にほれ込み、皇太子の侍従にならないか、誘いました。 
 ところがこの秀才は年老いた祖母がいました。侍従になれば祖母の面倒を見ることができないと思い、侍従の話を断わってしまいます。

 なぜ、就職活動、通称・就活のマンガで中国の昔話をするのか。それには理由があります。実はこれこそが「就職」という言葉の語源だからです。

 臣具以表聞辞不就職(『文選』李密の陳情事表)
(せっかくのお話ですが、事情があって就職の件、お断りします/石渡による適当な意訳)

 この話にはオチがあります。皇帝はこの秀才・李密の手紙を読んで李密と祖母を手厚く支援するよう、その地方の知事に命じました。さらに高齢だった祖母が亡くなると、もう一度、侍従としてスカウト、今度は就職することになります。

 李密からすれば、祖母の面倒と皇帝の命令の間で悩んだのかもしれません。あるいは、単に条件をつり上げるための交渉だったとも言えます。
 一方、皇帝の側も、単に命令すれば来るだろうと思いきや、断わってきたので焦ったに違いありません。

 それから1700年。この日本では18年もの間、就職氷河期という言葉が使われています。しかし、就職の根本は、就職の語源となった1700年前と変わるところがありません。
 仮に学生が秀才でなく、すごい学生でなかったとしても、会社を選ぶのは学生。選ばれるのは皇帝ならぬ企業です。

 現在の就職活動はインターンシップの影響で早期化・長期化する一方です。そして、法整備されていない影響もあって、全く対策がなされていません。
 そのため、学生はもちろんのこと、企業も大学も、あるいは学生の親も、皆、それぞれが不安となっています。
 その結果、数多くの悲喜劇が繰り広げられています。
 本書では、そんな就活の悲喜劇のうち、2004年(2008年以前の就職氷河期)の就活、ダメな就活、情報収集、インターンシップ、親、就活の歴史、自営業という8つの視点を9章に構成してまとめてみました。

 なお、オマケを付けないと気がすまない私・石渡の本ですので、3つほど付けています。
 〓ページからは「就職人気ランキングに絶対出てこない成長企業・ユニーク企業50」のリストとコラムです。学生の間では知名度がゼロ、ないし異様に低い企業をまとめてみました。

 各章各ページの下にはすべて欄外情報を入れました。そのページについての補足情報、石渡の感想、どうでもいい愚痴、漫画家へのツッコミなども含まれています。

 それから各章の末尾には、まとめページを付けました。『就活のバカヤロー』と同様、まとめページと言いながら、その章の内容の誇大広告、ウソ、大袈裟、紛らわしい表現が中心です。漫画家への業務連絡なども含まれています。本に書いてあることが全て事実だ、と思い込む真面目な方は読み飛ばしてください。

各章各ページについて、就活の現状と異なる場合は現状を優先します。ま、あまりカリカリせず、就活のドタバタぶりをちょっとのぞいて見てください。
by reiji0 | 2010-06-17 11:41 | 日記