ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


by reiji0
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「なぜ働くのか?」に対する答え

 「お金があっても、なぜ働かなければならないのか?」ネタの続きです。しばらく、講演その他で動いていて更新が遅くなりました。

 この問いかけ、年齢によっても変わってくるでしょう。
 例えば、50代、60代と人生を半ば過ぎてから、ということであれば楽隠居を決め込む、というのもありでしょう。その場合でも働く人は働くでしょうけど、それはひとまず置いておきます。

 10代、20代、いや今の自分の年代である30代で急に数億以上の大金を得た場合、どうするか?
 私だったら、何かしら仕事をして働きます。まあ、せいぜい、ときどきちょっと贅沢する程度。

理由1)社会とのつながりのために
 
 私が前々職から転職するときのこと。しばらく、激務だったのが転職活動期間ということで予定のない日々がありました。
 最初は気楽に過ごしていましたが、まあ1週間。それを過ぎると、「俺、なんで働いていないのだろう?」と不安で不安でしょうがない。自分の友人・知人が真面目に働いている中、無職というプレッシャー。だけど焦っても転職先がすぐ決まるわけでないもどかしさ。
 結局、人は社会とのつながりがないと生きていけない生物なのだな、と痛感しました。

 いくら大金を得ても、働いていないとどうなるか。
 まず、それまでの友人・知人とは話が合わなくなります。だって、友人・知人が会社の愚痴を行っている中、
「いやー、今日は200万円近くの買い物したけどさあ」
なんて言うヤツをそれまでと同じ付き合いができるか、まず無理でしょう。
 あちこちからたかられるようになるのがオチ。それって、健全な人間関係とは言えません。

理由2)自分のために
 理由1とややかぶりますが。
 『ゴルゴ13』の中で「番号預金口座」(文庫版7巻)というエピソードがあります。1969年のスペイン、ドミニカから亡命した将軍の息子がこのエピソードの主人公。
 3.5億ドルという大金をもっているこの主人公、9歳で准将の地位に出世という若殿様。そのため、スポーツをやっても、相手は反則負けで必ず1位になるし、周囲はこびへつらうだけ。
 パーティーをやってもむなしく、出席者も陰では散々な言いようです。

「お天気屋」「バカ殿様」
「捨てきれないほどお金があるから好きなことを言っていられる」
「彼に残されていることは…自殺だけじゃないかな」

 この主人公もほぼ同様のことを内心では考えています。そこで、自分を騙した金融業者と命をかけたゲームをすることに。金融業者に自分の殺害依頼をゴルゴに出させ、事故死を偽装。第二の新たな人生を歩もう、という計画。
 オチはマンガに譲るとしますが、お金がたくさんあっても、それが早いうちから持って使うだけではむなしいだけでしょう。
 お金があることを周囲に言うかどうか、同じ仕事かどうかはともかく、私は自分のためにも働きつづけるでしょう。

理由3)社会のために
 私個人ではないですが、土地持ちという人を何人か知っています。家やマンション・アパートを持っていて、その収入で食べている人のことです。まあ、お金持ちですね。
 それでは、彼らが悠悠自適かと言えばそんなことはありません。
 アパートが空室になれば、部屋をきれいにして、老朽化すれば、リフォームするか、立て直すか考えないといけません。家も同じで広ければ広いなりに、手入れだ何だと手間がかかります。
 そういうの、自分のためでもあるし、店子のため、つまりひいては社会のためでもあります。
 え?そんなの全部任せられるくらいの金持ちだったら?
 それでは、若くして大金を掴んだビル・ゲイツはどうでしょうか?
 2008年に彼は第一線から引退しました。が、慈善活動のために今では世界中を飛び回っています。
 どんなに大金があっても、今度は社会のために生かそうとして、結局のところは働くことになるのではないでしょうか?

 とまあ、こういう説明をしたところで、そのある学生は納得しないことでしょう。
 それはそれで構いません。
 社会に出ること、社会に出て働くことで得られる楽しみ、達成感を知らないまま、一生、大学生だかニートだかで、いたいのならそれも結構。
 「かわいそうに、貧しい価値観しか持てなくて」
 私はこの学生にはそれくらいしか言えません。どこかで働く楽しみを知って欲しいと願うばかりです。
by reiji0 | 2010-06-27 14:06 | 日記