ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


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たぬきちさんイベントに行ってきた

 一昨日、8月4日、阿佐ヶ谷へ。お目当ては、『リストラなう』のたぬきちさんイベントです。出版に関わる人間としてはこれは行かないわけにはいきません。

 ロフトA、はじめて行ったけど、入り口分かりづらい。中はイベント・居酒屋スペースとしては、こざっぱりしていました。
 
 受付で会費(1500円)支払い、席に付くとドリンクかフード、最低1オーダーするというシステム。ビール飲みたかったけど、自転車なので自重して、キリンフリー(500円)。
 席はなぜか、ゲスト席と同じ高さの座敷席があり、ゲスト席の近い方に一人座っているだけ。店員に聞くと、別に構わないとのことなので、机もあることだし、そこに座りました。。他の席はテーブルのある席埋まっていて狭そうだったし。でも、ゲストと同じ高さなのは、何か偉そうな気が。まあ、気のせいということで。

 ゲストは、たぬきちさん、元木昌彦さん(元・週刊現代編集長)、神林広恵さん(元「噂の真相」デスク)、長岡義幸さん(インディペンデント記者)、司会は篠田博之「創」編集長。

以下は内容のメモです。

たぬきち:照明に照らされるのは初めてです
元木:実は入社したかったのが光文社。ミリオンを出せば世界一周させてくれるという噂があった。
篠田:我々は光文社と言うけど、たぬきちさんは言わない、「ある出版社」で。
※以下、30分、光文社(某社)の内情説明
2008年秋、総資産224億。かつて700億あった。負債が72億で正味152億円しかなく、3年持たない。新社長、社員集会で「我が社は未曾有の危機に陥った」
2008年末のボーナスはかつて「憲法」とされたボーナス4.5ヶ月を破棄、最終的に2.3ヶ月で妥結。組合平均(39歳)で242万3007円
2009年末は1.3ヶ月プラス5万円(30歳モデルで約62万円)
2010年にコンサルタント会社入り、3月に早期退職優遇措置を発表

たぬきち:中にいる人間は細かい数字あまり意識していない。温室体質とつっこまれる要因かも。
篠田:でも年末のボーナスは気になった?
たぬきち:僕、独身だし、ローンも組んでいなかったのでそこまで深刻でなかった。お小遣い減ったくらいの感覚。本当、すみません。
元木:並河・前社長、中興の祖ではあるけど、でも、女性誌中心のツケ回ってきた。広告入る女性誌、一時良かったが、広告ががたっと落ちてしまった。週刊宝石、月刊宝石を休刊、ジャーナリズム路線を縮小したのが痛い。色々なところから収益引っ張っていく算段するべきだったのに女性誌に特化しすぎた。
たぬきち:その媒体(週刊宝石)が自分で収益出せなくなってしまった。しょうがないのでそれを潰して、早いところ利益出せるビジネスを社長は目指したのではないか。それが女性誌だった。
元木:月刊現代の赤字が5億円。ずっと慢性的な赤字を抱えていた。でも週刊宝石、ディアスと潰してしまった。ディアスなんか、数号で終わって…
篠田:1年持ちましたよ
元木:何か印象に残らない雑誌だった。
篠田:最後は2、3万部くらいしか出ていなかった。並河さん弁護するわけじゃないけど、女性誌路線は彼なりのジャーナリズム。
元木:出版業界全体が今や自転車操業どころかF1操業。立ち止まったらどこでも潰れてしまう。
篠田:マスコミ大手が儲かっているのは二重構造。週刊誌だとフリーと編集(正社員)の年収、30代にもなると半分違ってくる。業界、この構造、無視しているけど、これを議論するべき時期にあるのではないか。徳間とか角川とか非正規社員が多い。光文社は?
たぬきち:同一労働ということではあまりいなかった
神林:××、60歳まで給料半分保障すると早期退職策出しても応募ゼロ
篠田:たぬきちさん見ていると別世界。中小とかフリーとか、もっとひどい。生活保護貰いながら出版やっている人もいる。でもたぬきちさんは正直に受け止めているので、そこがブログ愛された理由だと思う。退職金は明かしたらまずいの?
たぬきち:額面で5200万円です(会場からどよめき)
神林:「噂の真相」は岡留が勝手にやめたじゃないですか。でも1000万円貰っていないですよ。最初はすごくくれるみたいな話だったのに。
※休憩
たぬきち:在職中に書いたものは失業手当は無関係。でも印税出たあとはおそらく停止。
元木:オーナー会社だと出世しても副社長まで、つまり派閥ができにくい。サラリーマン社長だと派閥できやすい。
たぬきち:でも某社、サラリーマン社長だけど派閥はできにくかったですよ。
※会場から質問
会場:組合問題について、なんたらかんたら。組合について触れなかったのはどうしてか。
※正直長くてメモ取るのやめ。この辺からぐたぐた感出てしまう
たぬきち:書く必要なかったし、自分が体験していなかった、知らなかった話なので。
会場:たぬきちさんの明日なうは何?
たぬきち:まだ、ぼっーとしていて未定
会場(石渡):生き残るフリーランス像は?
神林:自分の得意分野持つこと。10年前だと50、60でもゴーストできたけど、今は厳しい。
長岡:将来展望ないような…。
元木:フリーなら覚悟決めるべき。それができないならやめた方がいい。
※以下、会場から質問いくつか出るが割愛

面白かったといえば面白かったけど、ちょっとぐたぐた感がどうもなあ、と思いました。これはたぬきちさんも書かれていますが。
 まず、ゲストが長老・元木さんはともかく、長岡さんはほぼコメントゼロ。神林さんも多少。いいコメントあったけど、積極的に絡む感じではなく。時間配分も考えると、たぬきちさんと司会・篠田さんはデフォルトとしても、多くてあと2人。それか1人でも良かったかな、と思いました。

 光文社の内情説明に30分も費やしたのも、ちょっとなあ。背景を説明するのは分かるけど、10分程度でも良かったような。
 長老に反抗するわけじゃないけど、昔話が長すぎ。これは会場質問もそうなんですが、組合がどうしたとか、昔話や自分話を延々とする参加者、少しは空気を読んで欲しいなあ。
 質問もコメントも、自分話でもいいけど、短くうまくまとめる努力はして欲しいです。参加者が会を作るということもあるので。残念ながらこのイベントでは自分が会を作っていこうという参加者よりは「俺に話をさせろ」という参加者が多かったような。

 私としては、出版業界が厳しいながらも、ではどうやって生き残っていくか、前向きな話を聞きたかったです。だから、生き残るフリーランス像を聞いたのですが、厳しいという話以外になく。

 対談イベントは事前にどういう話でどういう流れで行くのか、打ち合わせが必要ですね。それか、どちらかが完全に流れを作っておくか。
 私の場合、北大イベントの就活くたばれデモの面々との対談はぶっつけ本番。しかも、デモ学生側もバラバラに聞くし、時間切れで尻切れトンボ感、グタグタ感が強かったです。
 山形大講演のときは学生側が話の流れを作ってくれたので、そこはスムーズでした。去年の話ですけど、AERA・尾木和晴編集長と編集・ライター養成講座で対談したときも事前に打ち合わせしていたので、流れは出来ていたと自負しています。

 対談・講演でのツイッター利用は少なくとも講演者・ゲストはたぬきちさんもブログで書かれているように相当難しいです。
 主催スタッフがツイッター要員となって、追っかけ、面白いコメントを随時、紹介するとか工夫が必要です。確か、北大生イベント(私は一般参加)でやっていたような。

 私としては、このイベントが元でたぬきちさんが講演・対談などに消極的になって欲しくないなと思います。最初からうまく行くわけでないし、まして初回から長老2人。これはきつい(笑)。石渡の初講演1000人で大こけというのと、五十歩百歩のような。
 もうちょっと人選と打ち合わせをしっかりしていれば面白いイベントになると思うので次回も楽しみにしています。
by reiji0 | 2010-08-06 01:36 | 日記