ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


by reiji0
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最近の石渡が自分の本『強い就活』『ヤバイ就活』を勧めない理由

 名古屋市では名古屋市長自らが先頭に立ってリコール運動を進めました。
 一方、この石渡は最近、自分の講演などで
「あ、『強い就活』『ヤバイ就活』は買わなくていいですから」
と言うようにしています。
「著者自ら自著のリコールか?」
などとご質問いただいたのでここでまとめてお答えします。

理由1:新刊『就活のしきたり』を買って欲しい
 これが一番です(笑)

理由2:「相手のことも気遣うべき」というメッセージに反したくない
 上記の話を私は講演でよくします。これは就活でも社会人になってからも必要なことです。
 それから、有料の就職セミナー、特に高額なもの(例えば12回12.6万円とか1泊2日2万円とか)を
「学生の弱みに付け込んだ、ろくでもない商売」
 とさんざん馬鹿にしています。

 これはこれで偉そうなのですが、そこまで偉そうなことを言うお前は何なんだ、という話になるわけです。
 2008年から2010年にかけて私は就活をテーマにした本を5冊刊行しました。
『就活のバカヤロー』820円
『強い就活』1400円
『ヤバイ就活』950円
『就活のバカタレ!』1100円
『就活のしきたり』700円
※いずれも税別
定価を合計すると4970円です。
 学生の方にとって、5000円近い支出は相当躊躇されるはずです。

 就活をテーマにした本を出している時点で
「結局、学生の弱みに付け込んでいるだけでしょ?」
 と言われればその批判は甘受せざるを得ません。五十歩百歩かもしれません。
 ですが、もし私の就活関連本5冊全部を買え、と私自ら強弁するのはどうでしょうか?
 それって、私がさんざん馬鹿にしたはずの有料就職セミナーと五十歩百歩どころか五十一歩くらい、ほぼ同じことと思えてならないのです。
 もちろん、全部読んでくれれば嬉しいですし、『強い就活』『ヤバイ就活』を読んで楽しんでくれた読者の方もいます。
 そうした読者の思いは嬉しいのですが、もしこれから新たに読もうとする学生の方に全部買えと強要するのは、著者の傲慢というものに思えてならないのです。
 学生さんの懐事情を考えると、とても全部買ってくれ、とは言えません。

理由3:他に読んで欲しい本がある。
 最近だと、エントリーシート対策なら『すべらない就活』、時事問題や会計知識の勉強なら『時事対策 業界・企業研究』『今までで一番やさしい経済の教科書』『世界一やさしい会計の本です 新装版』などがそうです。
 
理由4:興業的に失敗している
 残念ながら、『強い就活』『ヤバイ就活』は興業的に失敗しています。特に『ヤバイ就活』は過去8年間、累計13冊の中で売上ワーストとなってしまいました。
 「読みにくかった」「価格が高い」「欄外なのかどうか読みづらい」など様々な理由がありますし、それについては泥沼になるのでここでは述べません。
 が、興業的に失敗だったということは昨年の就活生の皆さんからご支持をいただけなかったということです。つまり、敗北です。敗北した、その結果は厳粛に受け止めなければならないと思います。

理由5:去年の本
つまりそれだけデータが古いです。新刊には最新のデータを反映しています。

『強い就活』『ヤバイ就活』をお勧めしていないのは上記理由からです。
一番大きいのは理由2ですね。私は自分の言ったことについては責任を取るべきと常々考えています。
私が自分の著作についてつまらなかった、がっかりした、などのご批判は甘受することができます。
我慢ならないのは「前と書いていることが同じ。こいつも粗製濫造するヤツか」と言われることです。そう言われないためにも私は全力を尽くします。これは前にもご説明したかと思います。
私が我慢ならないのはもう1点、
「学生に偉そうに言っていることをお前は実行していないじゃないか」
というものです。私は『強い就活』『ヤバイ就活』についても全力を尽くしましたし、内容には自信があります。それは共著者の方も同様でしょう。何よりも著者にとって、かけがえのない一冊です。
しかし、いかに私が思い入れがあろうとなかろうと、それは読者には無関係の話です。特に就活本という実用書である以上、「内定を取るのに役立つかどうか」が第一です。
残念ながら、内定を取るのに役立つ、というご評価はいただけませんでした。
 そうしたご評価をいただけなかった以上、これから新規に買ってくれる学生に対して
「この本は内定を取るのに役立つ。去年評価しなかった学生は無知蒙昧なだけだ」
 と言うのはどうなんでしょうか?
 そうしたことを言わなくても、学生の財布を無視して全部買えというのは、言っているも同然です。
 そして、それは私が軽蔑していたはずの、有料就職セミナー業者・主催者の言い分と変わるところがありません。
 ついでに言えば、私が就活関連本を粗製濫造しないのは、粗製濫造して読者に無用の混乱を起こしたくないからです。あんまり出しすぎると読者にがっかりされてしまうのですが、この話はまたいずれ。

 閑話休題、データは昨年のものですし、今年『すべらない就活』や『時事対策 業界・企業研究』など就活生が内定を取るために役立つ本が刊行されている以上、そちらを勧めるのが筋というものでしょう。

 私が『強い就活』『ヤバイ就活』をお勧めしていないのはそんな事情からです。
 ですから、もし、私の本でどれか1冊と言われれば新刊の『就活のしきたり』をお勧めさせてください。
 そして順番を付けるとすれば以下の通り。

2位…『就活のバカヤロー』
理由/2008年刊行で古いはずなのに、いまだに売れていて2010年も1万部増刷した(累計11.5万部)。新書業界で就活ネタを切り開いたパイオニアだし、内容・読みやすさが揃っている。
3位…『就活のバカタレ!』
理由/漫画で読みやすい。成長企業・ユニーク企業リストなどオマケ付きでもある。
4位…『強い就活』『ヤバイ就活』

 それからネット連載の「みんなの就活悲惨日記」がおかげさまで好評です。すでに××万PV(数はすみません、当面非公表です)突破とのことで狂喜乱舞しております。こちらも合わせてお読みいただければ。

 私はしょせん、一ライター・一ジャーナリストにすぎません。学生時代に就活をしたわけでもなく、採用担当者になったわけでも就職情報会社に勤務・経営をしたわけでもありません。
 就活に詳しくないくせに揚げ足取りだ、中身がない、就活時期を偉そうに話すなんて偽善者だ、そう言われればその通りです(あ、開き直った)。
 繰り返しますが、私は一ライター、一ジャーナリストです。インサイダーではなくアウトサイダーであり、インサイダーの方のように、新たな採用方法を実行できるわけではありません。
「アウトサイダーのくせに批判ばかり」という罵声を甘受しつつ、自分が手がけるテーマを取材・検証し、記事・著作にしていくのが仕事です。
 今後の「みんなの就活悲惨日記」や新刊でもこの姿勢は変わるところがありません。
 その点も合わせてご理解いただければ幸いです。
by reiji0 | 2010-12-16 23:12 | 日記