ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


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『MASTER キートン』絶版か?

 週刊文春の最新号で『MASTER キートン』の絶版についての記事がありました。

超人気マンガ「マスターキートン」が突如消えた「不可解な理由」

 ここ最近は読み返してはいませんが、浦沢直樹氏の名作の一つと言ってもいいでしょう。連載終了後はアニメ化され、マンガとは違った雰囲気で多くのファンを魅了した作品でもあります。
 詳しくは記事に譲るとしますが、漫画家(浦沢直樹氏)・編集サイドと原作者のトラブルによるもののようです。
 漫画家としてはマンガを描く以上は自分の作品という思い入れが強いですし、原作者を付けるからには、それなりのものを求めます。ところが、この原作者は十分なプロットを提供できず、卯漫画家・編集サイドにすれば「途中からこちらがほとんど全部やることになった」。
 一方、原作者にとって、そうした動きは「自分の働きが認められず、チームから外されている」と疎外感を覚えることになります。
 そうしたもつれは当然、印税の取り分をめぐる争いにもつながります。さらにこの原作者が物故されたことで、感情のもつれは解消されないままになり、それが絶版につながったようです。

 漫画家と原作者の関係を考えさせられる事件ですが、漫画家vs原作者だとやはり漫画家に分があります。
 仮に原作者がいなくても、漫画は質はともかく成立します。原作者は漫画化できなくても、小説なりノンフィクションなりにまとめればいいだけのことです。
 一方、いくら原作者にやる気があっても漫画家がその気になってくれなかったり、漫画として展開する能力がなければ漫画という作品は成立しません。
 物故された方を悪く言うのも何ですが、もうちょっと譲歩できなかったのかな、と。

 もっとも、私は編集サイドの対応も疑問です。仮に原作のプロットが不十分だったなら、編集サイドがフォローするなり、原作者を降板させるなりの方法があったはずです。せっかく、数多くのファンを獲得し、漫画は言うに及ばず、文庫本化すればまた相当部数が販売できた、ビジネスチャンスを逃すことになったのは不手際以外の何者でもないでしょう。
 なんて書いていると小学館の仕事がなくなりそうなのでこの辺で。
by reiji0 | 2005-05-19 23:04