ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


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『なるには』シリーズが売れない理由

 現在、AERAの新企画(と言うか連載、詳細はミクシイで)と書籍の新企画立ち上げで、色々動いています。
 このうち、後者は、早い話が『なるには』シリーズの改良版なのですが、先日、その旨を伝えたところ、某社の企画会議でものの見事に落ちてしまいました。
 実は書店の学参担当から評価されている社なので、がっかり、まあ勝敗は兵家の常、プレゼン敗退はいくらでもある話で次の社でまた頑張るしかありません。
 敗退理由はいくつかあるのですが、そのうちの一つが、やはり『なるには』シリーズ。どうも、部数としてはぱっとしておらず、その改良版をわざわざ出す意味があるのか、と言うところがひっかかったとか。

 ご存知ない方のためにご説明しますと、ぺりかん社が職業を紹介する、『なるには』シリーズというものを古くから刊行しています。
 職業をうまくまとめているシリーズで、高校の図書室や進路指導室には全部、ないしは人気どころは揃っているはずです。
 『13歳のハローワーク』で火が付いた、いわゆるキャリアもののさきがけとも言えるシリーズで、高校関係者の評価は高いとも聞いています。

 しかし最近は部数がぱっとしないとのこと。まあ確かに、いくつかの理由は考えられます。

理由ⅰ:細分化しすぎている
→120冊以上出ています。医療系だけでも、医師、看護師、歯科医師、獣医、言語聴覚士、歯科技工士、保健師…。医師と獣医をまとめるのは無理があるにしても、細分化しすぎていて、読者に広がりがありません。

理由ⅱ:情報更新が古い
→1冊立ち上げて、それから数年ないし10年はそのままです。情報はどんどん変わりますが、その変化に書籍はついていけません。情報が古いと読者は古臭さを覚えて敬遠してしまいます。
 もっとも、120冊以上のシリーズを毎年更新していたら、編集者が過労死してしまうので無理ですし、ましてそこまで売れないので難しい問題です。

理由ⅲ:著者が専門家/大学情報が少ない
→著者はその分野に詳しい、専門ライターか専門家が担当。そのせいか、各職業の細部はかなり丁寧にフォローされています。高校関係者が評価するのもそのあたりでしょう。
 しかし、読者はあくまでも高校生です。彼らの第一目標は大学合格、そしてその先にある大学生活です。ならばそのあたりを書くべきですが、全160ページ中、大学関連のページは10ページ程度しかありません。
 「イメージだけで学校を選ばない」なんてアドバイスはわざわざ書籍を買わずとも、知っていることであって、読者に対して不親切と言わざるを得ません。

 まだいくつかありますが省略。じゃあ、そのあたり、どう変えたらビジネスになるか、というのをまとめるのが企画書です。
 有力候補が脱落してしまったので、仕切りなおし。この時点では原稿料は発生しませんけど、これも仕事。さーて、どうやってだまくらかす、もとい、納得させたものか。
by reiji0 | 2005-05-20 22:49