ライター石渡嶺司のブログ:進路ガイド
2015-03-25T10:51:56+09:00
reiji0
ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ
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2015版と2016版の比較・2(公務員・東北、関東)
http://reiji0.exblog.jp/24283307/
2015-03-25T10:52:05+09:00
2015-03-25T10:51:56+09:00
2015-03-25T10:51:56+09:00
reiji0
進路ガイド
今回は2章公務員について。
2015版までは、生協講座などを大きく取り上げていましたが、2016版からは公務員のどのカテゴリー就職が中心か、それと人数。あるいは、実務家教員による講義の有無などを中心にしました。
また、私立大で「警察官養成」を売りにする大学が増えていますが、宣伝するほどの実績ではないと判断した大学については掲載校から外しました。
今回は、東北大、筑波大、宇都宮大、群馬県立女子大、高崎経済大の5校と、北関東・南関東の私立大6校です。
ちょっと長いですが、どのように改訂したか、ご確認のほどを。
●2015版(公務員)
≫東北大法学部は学部開講の授業科目を、「基礎講義」・「基幹講義」・「展開講義」の3つのカテゴリーに大別し、段階的に配置することで、法学・政治学の基礎的な内容を無理なく体系的に修得できる体制を整えている。4年間の全般にわたって、少人数で開かれる演習の履修ができ、少人数教育を充実させている。しかし公務員になるのは意外と文学部や経済学部も強い。研究志向が強く大学院進学する学生が多いためか、理系学部からは少ない。
≫東北大は生協による公務員講座が充実しており、東北最高の実績を誇っている。公務員講座は5月下旬から翌年4月まで、行政職総合コースが324コマ33万円(税込)、技術職コースが99コマ12万円(税込)。この受講料には講義代、テキスト代、資料代、WEBシステム代、スチューデントEQ受診料、二次試験サポート料金が含まれている。そのほかに別料金オプションで直前対策コース、総合職法律、総合職経済、心理学などがある。講義は平日18時~21時10分まで開講される。週4日(月・火・木・金)で、夏休みや冬休みなどは9時~15時などびっしり。定員は250名。学習サポート体制としては、筆記試験対策の講義に加えて、少人数に分かれて省庁を訪問し、先輩の話を聞き、働く様子を見学する1泊2日の「公務員業務研究セミナー」(9月開催)、中央省庁の職場を訪問・見学し、各省庁で政策課題や業務内容説明などのセミナーを受け、若手職員と意見交換もする「霞が関OPENゼミ」(12月、3月開催)、合格者の合格サポーターと一緒に合宿をして集団面接練習、懇親会、個別面接練習、集団討論練習などをして、合格者や受講者同士の交流を深めたりもしている。早期からの2次試験対策に力を入れ、4年生の合格した先輩からアドバイスを受けつつ、模擬面接や集団討論を繰り返す。OB・OG活動も盛んで、2012年にOB・OG会が発足。OB・OGが集団討論対策、個別面接対策を徹底してくれる。講義欠席時は講義はすべてカメラで撮影しているので、DVDを無料で借りて視聴できる。生協職員のキャリアカウンセラーが個別相談や個別指導もしてくれる。とにかく徹底的な二次試験(面接・集団討論)対策が特徴である。講義は学内で行われ、東北大生のためのオリジナルな内容になっている。平成24年度の合格者実績は、東北地域の大学生協の合計で、国家公務員234件、地方公務員755件、国立大学法人等職員77件、警察官・消防官79件だが、国家総合職22件が全員東北大生なのは言うまでもない。
≫筑波大の学生は、大学のホームページから公務員試験受験報告書やOB・OG名簿が検索できる。公務員試験対策講座はTAC株式会社/Wセミナーが実施。事務職、技術職などの各コースがある。理系公務員にも強い。大学の講座だけでは足りないという学生の中にはダブルスクール組も。社会・国際学群社会学類に法学主専攻、政治学主専攻があり、これが他大学の法学部にあたる。理系を含めどの学群からも満遍なく公務員になれており、公務員に強い大学と言える。
≫群馬県立女子大の公務員就職者数は毎年ほんの数人であり、有利とは言えない。
≫高崎経済大は公務員志望者が多く、公務員養成セミナーを開講。東京の専門学校で公務員受験対策指導にあたっている専門家集団が講義を進めている。公務員就職者数は、経済学部、地域政策学部とも多く、有利な大学である。
≫栃木県では白鴎大が健闘。公務員試験対策講座を実施し、経営学部、法学部、教育学部いずれも一定数公務員になれている。
≫平成国際大は法学部の単科大学。公務員試験合格支援プログラムを実施。ただし合格者数は1ケタ。
≫国際武道大の公務員就職者数は多い。やはりスポーツが強いと警察に歓迎される。
≫清和大法学部は警察官に強いのを売りにしている。ただし合格者数はまだ少ない。
≫桐蔭横浜大法学部には法曹・公務員コース(教養試験の指導もする)、企業ビジネス・公務員コースがある。ただし、公務員就職実績があるという話は聞こえない。
※共愛学園前橋国際大は掲載なし。
●2016版
≫東北大の公務員就職は国家公務員総合職、地方公務員(事務系職員、専門職)が中心。就職者数は198人。主な就職先は宮城県庁、財務省、気象庁、仙台市役所など。法学部は専門科目に「農業法政策演習」(農業法・農業政策を学ぶ/担当教員は農林水産省出身)、「環境政策演習」(担当教員は環境省出身で北九州市役所・四国経済産業局などへの出向経験あり)「独占禁止政策演習」(担当教員は公正取引委員会出身)など中央省庁出身の実務家教員がやたらと多い。「現代地方自治演習」の担当教員は総務省出身、講義では地方自治体の実務担当者を招く回もある。2014年度が最終講義らしいが外務省西欧課課長の教員(「外交の理論と実践」)も開講されていた。全学教育科目でも複数の実務家教員などで構成する「公共政策入門」、ほかに「復興の政治学」「災害の科学」などの関連科目を開講。東北大は法学部ばかりではなく、文学部(公務員就職者51人)や経済学部(同・49人)も強い。教育学部(同・14人)や理工系学部(理学部8人、工学部9人、医学部保健学科9人、農学部4人)は少ない。東北大生協による公務員講座は充実しており、少人数に分かれて中央省庁を訪問する「公務員業務研究セミナー」(9月開催)、「霞が関OPENゼミ」(12月、3月開催)なども実施。公務員講座・スクールとしては異例のOB・OG会活動も盛ん。OB・OGが集団討論対策、個別面接対策を指導することも。
≫筑波大の公務員就職は地方公務員(事務系職員、技術系職員)が中心。国家公務員も十分狙える。就職者数は144人。うち国家公務員は18人。主な就職先は茨城県庁、法務省、東京都庁、防衛省など。社会・国際学群社会学類に法学主専攻、政治学主専攻があり、これが他大学の法学部にあたる。ただし、飛び抜けて公務員就職者が多いわけでなく、学類別では人文学類の方が多い。理工学群社会工学類、医学群看護学類、情報学群知識情報・図書館学類、体育専門学群などが続く。全学学生を対象とした総合科目として「社会基礎学 グローバル人材に不可欠な教養Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を開講。産業界・官界のトップや管理職が講師。「グローバル化とは?」「政治・政策」「安全保障・憲法」「経済・産業」「資源・エネルギー」「世界/アジア」の6分野が対象。福島県副知事(震災復興の現状と問題)、農林水産省関東農政局長(日本の一次産業)、防衛相大臣官房審議官(日本の安全保障環境と防衛政策)など普段なかなか会えない官僚の話を聞くことができる。公務員志望の学生は、大学のホームページから公務員試験受験報告書やOB・OG名簿が検索できる。公務員試験対策講座はTAC株式会社/Wセミナーが実施。事務職、技術職などの各コースがある。
≫宇都宮大の公務員就職は地方公務員(事務系職員、技術系職員)が中心。国家公務員も狙える。就職者数は77人。主な就職先は栃木県庁、宇都宮市役所、国土交通省など。全学対象のアクティブラーニング科目として「実践・宇都宮のまちづくり」を開講。宇都宮市役所の各部署職員が講義を担当。最終講義では宇都宮市長が講演。シラバスには「宇都宮市職員を目指す方にはおすすめです」と明記されるほど。アクティブラーニング科目はほかにも「とちぎ終章学総論」(高齢化問題/栃木県医療政策課職員などが講義を担当)、「男女共同参画社会を生きる」(栃木県男女共同参画地域推進員と共同で聞き取り調査を担当)、「危機を見つめる力」など地域・公共関連の科目を多数開講。国際学部では「国際協力論実習」(JICA、JETROなどを訪問)、「行政学演習」(各省庁・自治体の政策課題を研究・調査。面接取材をすることもあり。6月末には宇都宮青年会議所主催のまちづくりサミットに参加)などの科目も開講。
≫群馬県立女子大の公務員就職は地方公務員(事務系職員)が中心。就職者数は13人。主な就職先は館林役所、高知県庁、東京国税局など。共通科目で「国際理解と平和:大使リレー講座」(大使・NGO関係者が講義を担当)、「群馬と地球環境」(渋川市教育委員会などが講義を担当)、「群馬の歴史と文化」などの関連科目を開講。
≫高崎経済大の公務員就職は地方公務員(事務系職員)が中心。国家公務員も少数ながらいる。就職者数は92人。主な就職先は群馬県庁、高崎市役所など。経営学科では「特別講義(経済学)」(サステナビリティについてのリレー講義)など、地域政策学部では「高崎市の課題と政策」(高崎市役所各部署職員が講義を担当)、「現代の地域づくり」(林野庁林政部長、小布施町長、総務省地域自立支援課課長補佐などが講義を担当)、「グループ研究Ⅰ」(「条例案をつくろう!」がテーマで実際に条例案を作成)、「公施設経営論」(埼玉県庁等の出身教員が公共施設運営について講義)などの科目を開講。
≫白鴎大の公務員就職は警察官、消防官が中心。地方公務員も狙える。就職者数は54人。主な就職先は栃木県庁、栃木県警察、埼玉県警察など。学業特待制度の対象学生となると、原則4年間、172万円が支給され、学費と差し引けば国立大とほぼ同額となる(4年間の合計学費240万円)。法学部は市民、司法、行政、企業、国際の5コース制。宇都宮大の科目「実践・宇都宮のまちづくり」(宇都宮市役所職員が講義を担当)は大学コンソーシアム栃木のオリジナル科目で受講が可能。
≫共愛学園前橋国際大の公務員就職は地方公務員(事務職)、警察官が中心。就職者数は7人。ただでさえ小規模大学、しかも国際社会学部という学部構成から公務員就職には不向き。しかし、学力の高さから北関東の私立大にしては地方公務員も含めた公務員就職がしやすい大学となっている。
※平成国際大、国際武道大、清和大、桐蔭横浜大は掲載せず。
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2015版と2016版の比較・1(マスコミ・東北)
http://reiji0.exblog.jp/24281435/
2015-03-24T21:11:02+09:00
2015-03-24T21:10:52+09:00
2015-03-24T21:10:52+09:00
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進路ガイド
今年は一口情報などを大きく変えました。
どのように変わったのか、お問い合わせがありましたので、こちらで出していきます。
今回は一口情報について。
●2015版(マスコミ・東北・国公立)
≫弘前大の学生就職支援センターは3年生を対象に業界研究会を開催し、新聞社などマスコミ関係者が来て講演をする。ただし、地元以外の就職を狙うのは難しい。閉鎖的な地方社会だけにとどまらない、広い情報収集・発信の姿勢が不可欠。
≫岩手大は人文社会科学部、教育学部、工学部などが、地方新聞社や地方局、NHK、映像制作会社などに就職実績がある。東日本大震災の被災地であることもあり、ボランティア活動などで報道の現場を知る機会を自発的に持つことが役に立つ。
≫秋田大は秋田魁新報社以外ほとんど就職実績がない。特にお勧めはしない。
≫山形大は人文学部、工学部がテレビユー山形に就職実績がある。地元マスコミなら狙えるが、在京大手は厳しい。
●2016版
≫弘前大は人文学部現代社会課程社会行動コースにメディア論を扱う教員が在籍。大学サイトによると情報通信業への就職者数は(IT・通信業界含む)、人文学部20、教育学部7、理工学部30など。就職先は青森放送、凸版メディア、青森朝日放送など。
≫岩手大は岩手日報社、NHK、グリーなどに就職実績がある。人文社会科学部人間科学課程行動科学コースでは、社会学や心理学が学べる。国際文化課程のメディア文化論特講では8月のオープンキャンパス来場者向けに流すエリア放送の映像コンテンツを学生が作成する。
≫秋田大は秋田魁新報社など地元マスコミ企業への就職実績あり。文系学部が教育文化学部のみ、しかも教員・公務員志望が大半という事情もあって、そもそもマスコミ志望者がごく少数という事情もある。
≫山形大はテレビユー山形などに就職実績がある。人文学部ではメディア関連の科目がない。その代り、基盤教育科目では異様なまでに濃い科目が揃っている(特に教養科目の「応用と学際」「山形に学ぶ」)。メディア関連科目だと、「日本社会を生きる 映画からみた近代日本の人間像」「ビッグデータをどう分析するか」「新聞で山形を知る」「文学・芸術に描かれた山形」など。ほか、フィールドワークも充実しており、こうした科目を受講していれば下手なメディア系学部に進学するよりも効果はありそう。メディア系サークルでは文芸部くらいしかなかったが、2013年にフリーペーパーサークルY-ai!(やい)が登場。2014年現在、17人で頑張っている。
※2015・2016版とも、実際は国際教養大など他校も掲載]]>
『時間と学費をムダにしない大学選び2016』改訂について
http://reiji0.exblog.jp/24272654/
2015-03-22T17:09:33+09:00
2015-03-22T17:09:30+09:00
2015-03-22T17:09:30+09:00
reiji0
進路ガイド
毎年刊行している『時間と学費をムダにしない大学選び』。今年も無事に刊行することができました。
2004年刊行の『15歳からの大学選び』(小学館)も入れれば、今年で12年目、通算で10冊、刊行したことになります。
これも、ひとえに支持してくれた読者、特に高校生と高校教員・進路指導関係者の皆様のおかげです。
●2016版の改訂について
1:一口情報の大幅改訂
2015版までは、著者側の感想・個人的見解等もありました。それはそれでご評価いただく部分もありました。が、感想・個人的見解は他のコーナーで書いており、一口情報は情報のみ、ただし情報量はメガ盛り、ということで方針を大きく変えました。
・全章…著者の感想・個人的見解を全削除/定員割れ大学の多くについて削除/難関大だけでなく準難関大~中堅大、地方国公立大の情報を大幅に追加/「著者からひとこと」コーナー廃止
・1章(マスコミ)・2章(公務員)…実務家教員・外部講師等の講義情報、就職者数・率のデータ、サークルなどの客観データを多数掲載。
・1章(マスコミ)…2015版まで未掲載ないし掲載量の少なかった大学(奈良女子大、佐賀大、宮崎大など)
・2章(公務員)…公務員就職のうち、国家公務員、地方公務員、警察官・消防官・自衛官など、どの職種が中心になるのかを最初に掲載/掲載校を整理。警察官養成を標榜する私大のうち、実績が低いと判断した大学は掲載対象から除外
・3章(司法)…法科大学院情報中心の掲載から学部中心の掲載に変更/司法試験実績の低い(あるいは、ない)大学についても学部教育などで実績のある大学、志願者数の多い大学については情報を精査したうえで掲載
・4章(教育)…就職者数を先に掲載
・5章(福祉・心理)…掲載校を整理
・10章(看護・医療・薬学)…掲載校を整理。原則として開学10年以上の大学を掲載/新設校、かつ、前身がしっかりしている大学(京都看護大、九州栄養福祉大など)は掲載
2:「ワイルドカード~国公立ギリギリの選択」新設、「大学受験のモデルプラン」廃止
『ムダ選び』シリーズ刊行から7年続いた「大学受験のモデルプラン」コーナーを廃止しました。
理由は、マンネリ化です。高校教員の方から需要の多かった国公立大の中堅以下の大学(ぶっちゃけて言えば、偏差値ランキングでは下の方)について数校取り上げるようにしました。それが新設の「ワイルドカード~国公立ギリギリの選択」です。
3:「高校生の素朴な疑問Q&A」コーナーの増量
2015版で新設のコーナーで、このときは6項目程度。これを7項目に増量。かつ、大学2~3、職業・業界2~3、その他1と分けるようにしました。
4:「保護者のためのQ&A」コーナー新設
全21章のうしろに、Q&Aコーナーのみで保護者向けページを新設しました。
5:コラム21本の新規入れ替え・過激化
各章のうしろにあるコラムは21本、全部、新たなものに変えました。また、過激派ならぬ過激化で、内容は相当刺激的なものを入れるようにした、と自負しています。
特に「公務員就職のカラクリ」「法科大学院の大量閉校」「なぜ高校進路指導教員は国公立大を勧めたがるのか」「社会福祉系学部の成長株を探せ」「エアライン志望はいくらかかる?」「国立大工学部がいつの間にか格付け」「医療系国家試験・合格率のカラクリ」「乱立医療・看護系学部の見分け方」「管理栄養士合格率のカラクリ」「実は5番目に学費が高い?服飾系学部」「声優専門学校のカラクリ」「乱立国際系学部の行方」などは、ギリギリというか、かなり危なっかしい話も掲載。
このように色々と改訂したのが、今回の2016版です。
とは言え、諸般の事情、というか、「一口情報」の改訂(特に1~5・9章)に時間をかけすぎました。その結果、「一口情報」(6~8・10~21章)は70%程度、「よくある相談、どっちがお得」の50%程度、「この業界の主な企業・職業・資格」の80%程度が前年度のものを踏襲する結果となりました。
前年度と変わらない情報もあるので、全面改訂はあり得ませんが、「30~40%は前年踏襲、60~70%は改訂」を目標としているので、「一口情報」(の多くの章)、「よくある相談」「職業・資格」については、「前年度の使い回しで内容が変わっていない」「マンネリ」など厳しいご意見を頂くこともあるかと思います。
その責任はすべて、この著者・石渡にあり、この点については深くお詫びする次第です。
2017版を刊行できるかどうかはまだ未定ですが、仮に刊行する場合は、2016版以上に内容を大幅に改訂することを前提として進めていきます。
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