ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


by reiji0
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 「お金があっても、なぜ働かなければならないのか?」ネタの続きです。しばらく、講演その他で動いていて更新が遅くなりました。

 この問いかけ、年齢によっても変わってくるでしょう。
 例えば、50代、60代と人生を半ば過ぎてから、ということであれば楽隠居を決め込む、というのもありでしょう。その場合でも働く人は働くでしょうけど、それはひとまず置いておきます。

 10代、20代、いや今の自分の年代である30代で急に数億以上の大金を得た場合、どうするか?
 私だったら、何かしら仕事をして働きます。まあ、せいぜい、ときどきちょっと贅沢する程度。

理由1)社会とのつながりのために
 
 私が前々職から転職するときのこと。しばらく、激務だったのが転職活動期間ということで予定のない日々がありました。
 最初は気楽に過ごしていましたが、まあ1週間。それを過ぎると、「俺、なんで働いていないのだろう?」と不安で不安でしょうがない。自分の友人・知人が真面目に働いている中、無職というプレッシャー。だけど焦っても転職先がすぐ決まるわけでないもどかしさ。
 結局、人は社会とのつながりがないと生きていけない生物なのだな、と痛感しました。

 いくら大金を得ても、働いていないとどうなるか。
 まず、それまでの友人・知人とは話が合わなくなります。だって、友人・知人が会社の愚痴を行っている中、
「いやー、今日は200万円近くの買い物したけどさあ」
なんて言うヤツをそれまでと同じ付き合いができるか、まず無理でしょう。
 あちこちからたかられるようになるのがオチ。それって、健全な人間関係とは言えません。

理由2)自分のために
 理由1とややかぶりますが。
 『ゴルゴ13』の中で「番号預金口座」(文庫版7巻)というエピソードがあります。1969年のスペイン、ドミニカから亡命した将軍の息子がこのエピソードの主人公。
 3.5億ドルという大金をもっているこの主人公、9歳で准将の地位に出世という若殿様。そのため、スポーツをやっても、相手は反則負けで必ず1位になるし、周囲はこびへつらうだけ。
 パーティーをやってもむなしく、出席者も陰では散々な言いようです。

「お天気屋」「バカ殿様」
「捨てきれないほどお金があるから好きなことを言っていられる」
「彼に残されていることは…自殺だけじゃないかな」

 この主人公もほぼ同様のことを内心では考えています。そこで、自分を騙した金融業者と命をかけたゲームをすることに。金融業者に自分の殺害依頼をゴルゴに出させ、事故死を偽装。第二の新たな人生を歩もう、という計画。
 オチはマンガに譲るとしますが、お金がたくさんあっても、それが早いうちから持って使うだけではむなしいだけでしょう。
 お金があることを周囲に言うかどうか、同じ仕事かどうかはともかく、私は自分のためにも働きつづけるでしょう。

理由3)社会のために
 私個人ではないですが、土地持ちという人を何人か知っています。家やマンション・アパートを持っていて、その収入で食べている人のことです。まあ、お金持ちですね。
 それでは、彼らが悠悠自適かと言えばそんなことはありません。
 アパートが空室になれば、部屋をきれいにして、老朽化すれば、リフォームするか、立て直すか考えないといけません。家も同じで広ければ広いなりに、手入れだ何だと手間がかかります。
 そういうの、自分のためでもあるし、店子のため、つまりひいては社会のためでもあります。
 え?そんなの全部任せられるくらいの金持ちだったら?
 それでは、若くして大金を掴んだビル・ゲイツはどうでしょうか?
 2008年に彼は第一線から引退しました。が、慈善活動のために今では世界中を飛び回っています。
 どんなに大金があっても、今度は社会のために生かそうとして、結局のところは働くことになるのではないでしょうか?

 とまあ、こういう説明をしたところで、そのある学生は納得しないことでしょう。
 それはそれで構いません。
 社会に出ること、社会に出て働くことで得られる楽しみ、達成感を知らないまま、一生、大学生だかニートだかで、いたいのならそれも結構。
 「かわいそうに、貧しい価値観しか持てなくて」
 私はこの学生にはそれくらいしか言えません。どこかで働く楽しみを知って欲しいと願うばかりです。
by reiji0 | 2010-06-27 14:06 | 日記
 ある学生からの質問、「なぜ働かなければならないのか?」ネタの続きです。

 なお、この学生からろくでもない抗議メールが来ました。なので、前回のエントリーは一部変更しました。

 この学生は面倒なんで(返事するのもバカバカしい)、以後スルーします。ただ、質問自体に罪はないので続けます。

 ツイッターからいくつか。

なぜ働くのか、なんて考えたこともないです。私の働くとは「自分」を社会に置くという行為だと考えるから。その結果として(まぁ、お金も必要ですが)働くことになっているだけ。働く=外と交わる。じゃあ働かなくてもいいじゃんってはなるかも

別に金があれば働かなくてもいいと思うけどなー。やりたいことやればいい。経験は仕事に限らんと思うので。

「なぜ働かなければならないのか?」の記事見ました。自分もまだ正社員じゃないので何とも言えませんが、内田樹さんの『下流志向』 を読めば何かヒントが得られるかもしれません。

「勤労は憲法で定められた国民の義務」であること、そしてそれが定められた理由を社会の成り立ちや相互扶助などにも言及して説明。さらに、「働くことの目的はお金を得ること」という根本的な勘違いを正す。

「なぜ働かなければいけないのか」いっさい理解できないし、今までそれに対する回答で満足させてくれた人はいない

ブログ記事でまとめてくれた方もいます。

 Nikeのブログ「なぜ働くのか?」 

 なんか、もうこれがオチでいいかな、と(笑)

 それからメールでも3人の学生さんからご意見をいただきました。転載の是非について書いてなかったので掲載しませんが参考にします(問題ないようならご連絡ください)。

 それでは、私の考えは、というところで次回に続く。まあ、あってないようなものですが。
by reiji0 | 2010-06-23 10:57 | 日記
 なんか、今、酒を飲みながらユーストリームで、就活くたばれデモの面子が振り返り対談をしていて。

 酒飲みながら(いいなあ)、色々お話を。

 で、ツイッターで絡もうとしたのですが、うまくつながらず。

 まあ、そもそも話がすれ違うのは必然ですが、いい機会なので、簡単に。

 就活のデモ(北大のも、他大のも)については、全否定はしませんが、まあ、多数派にはならないだろうなあ、と。

 というと、主催側からすれば、自己否定だ何だと騒ぐかもしれませんが(笑)。いや、だから完全否定じゃないから、そこまでエキセントリックになるなよ、もう。以下、メモで。

●就活学生からすれば、就活がおかしいと誰もが思っている。
●しかし、デモはどうもなあ、と思う人が多数派
●そうなると、居酒屋で飲んだり、カラオケ行ってストレス発散、という学生が多数派になる
●一方で、就活を本当に変えたいという学生なら、政治・行政にデモ以外で圧力かける、政策反映させる、ということを考えるはず
●あるいは、リクルートでも文部科学省でも、インサイダーに入って変えようと考えるのも手
●そういう学生からすれば、「就活デモ?わあわあ騒ぐだけでしょ?」と敬遠してしまう
●もし、デモ=圧力行動、としたいならもっと参加者を増やす努力をするべきなのに、何か仲間内でわあわあ言っているだけのような
●採用担当者、就職情報会社、大学就職課職員など社会人側もおかしいと考えている人は多い。そういう人まで巻き込もうとする姿勢ないような

 ま、しょせんは「ニコニコ動画職人よりつまらない」(爆)と言われるような人間の素朴な疑問なので、スルーしてください(笑)。
by reiji0 | 2010-06-22 22:58 | 日記
 就活講演でよく

 「同じアルバイトでも言われたことをやるだけでなく視点を変えてみる。自分で動いてみるのはどうか?」

 と話します。それってどういうことと聞かれることもあり。

 昨日、北星学園大の講演が終わった後、講演開催に尽力してくれた、松浦年男先生ら4人で打ち上げのために居酒屋へ。

 焼鳥のおいしい店なので、焼鳥盛り合わせ、北海道らしいところでラーメンサラダ、刺身などを注文。

 すると、学生のバイトらしき店員が注文をとってから一言。

「ご注文いただいた品、いずれもお時間いただきますが、よろしかったですか?」
「こちらのページだとすぐお出しできますが」

 へえ、とちょっと感心しました。
 単に注文取って、厨房に伝えて、というだけのバイトだとどうなるか?

注文後、いつまで経っても、つまみが出てこない
→客、騒ぐ
→バイト「ご注文いただいた品は全部、お時間かかるので」
→客「だったら先に言えよ!」
→バイト「はあ、すみません…」(俺は悪くないのに…)

 面倒な客だと、店長を出せ!となるでしょうし、おとなしい客でも、内心では「気が利かない店だ」とその後、再訪しない可能性が高くなります。

 それが
 
「ご注文いただいた品、いずれもお時間いただきますが、よろしかったですか?」
「こちらのページだとすぐお出しできますが」

 と一言断わっていればどうか。

 時間が遅くても構わない、という客なら、つまみが出るのに時間がかかることを分かっているから問題ありません。

 どうせなら早く出るつまみがいいという客なら、別のつまみをいくつか注文します。我々も、チャンジャなどを注文しましたし。

 店としても、いくつか余計に注文が取れて利益になります。

 このバイト君、自分で考えて話をしていたら大したものです。店のマニュアルや指導かもしれませんが。

 少なくとも、客の側はどうなのか、気遣えるわけです。
 私はこういうバイト中にあれこれ考えることは、結果論としては就活でも、社会人生活でも有利になるのかな,と考えています。
by reiji0 | 2010-06-22 22:14 | 日記
 ある学生からある席で(面倒なんで全部「ある」にしておけば文句ないだろ)

「なぜ働かなければならないのか?」

 と聞かれました。彼が言うには、

「お金がないから働かなければならないのはわかる。しかし、お金があれば働かなくてもいいのではないか」

 この質問に対して、アルコールが回っていることを抜きにしても、まあきちんと答えられない、某・大学ジャーナリストがいて。まあ、私のことなんですが(笑)。
 いや、笑い事じゃないな、こういう質問にさっと答えてこそ、自称・ジャーナリストだろう、と、自省した次第。

 それでまあ、つらつら考えているのですが、その前にまずい答え方をいくつか。

1)そんな質問すること自体、若いよね
 社会人なら言いそうですが、答えになっていません。質問した学生の意図はともかく、結構深い質問です。きちんと付き合うのが筋でしょう。

2)働いていないからそういうこと聞くんでしょ?働いてみれば分かるよ
 一見、回答になっていそうですが、これも答えになっていません。社会人として働いていないから分からない。だから聞いているわけで。

3)マナーや礼儀のなっていないバカには答えたくない
 質問内容とは無関係なことで逃げるのは一つの手です。が、それとこれとは無関係。
 
4)自分で考えられない時点でおかしい
 そうとも言えます(社会人からすればね)。ただ、これも、質問の回答ではないですよね。

5)前提からしておかしいし、回答不能
 議論ではこの回答もいいのかな、と。ただ、これも何となくちがうなあ…

…。だんだんと退路がなくなってきました。さあ、どうする、石渡。というところで次回に続く。

 なお、この「なぜ働くのか?」論、読者の方のご意見もお待ちしております。

 それから、できればブログにも転載したいので、メール(namio@eurus.dti.ne.jp)でご連絡いただく際は、転載の是非、お名前について(匿名ご希望ならそのようにします)などもお知らせください。 

 …。単に自分一人では、手に負えないので加勢求む、とも言えます。

 や、仮に「なんで働かなくてはいけないのか?」というご意見でも転載しますので、どちら側でも、まずはご連絡を。
by reiji0 | 2010-06-21 09:40 | 日記
 昨日の北大講演には約200人ご参加いただきました。ありがたや~。

 本日は第二章のまとめです。



外部セミナーと自己分析本は儲かります。石渡も実施・出版を検討中です。

自己分析本の企画案を石渡が持ち込んだところ、出版関係者には「あなた自身の自己分析ができていない」と却下されました。

就活本の年度版は手抜きができて、学生には100年前の話でも最新版だと言い張れる、いい商売です。

スーツか私服かで悩む学生が多数います。社会人からすれば、ビスラマ語の文法よりも理解できず、どっちでも良い話です。

札束のおもちゃで学生を脅迫する大学は実在します。

最終面接はトリビアクイズの場です。歴代社長名から決算報告書まで暗記しないと内定が取れません。

GD司会有利説はフリーメーソンが流した謀略です。これを機に日本支配を進めようとしています。

GDクラッシャーことメガンテを倒すと経験値とゴールドがたくさん稼げます。倒す方法は人それぞれです。

間宮理沙さんは沢尻エリカとは似ていません。現状と異なる場合は現状を優先します。


 何のことか、さっぱりという方も、にやりとした方も、『就活のバカタレ!』をどうぞ。
by reiji0 | 2010-06-19 14:06 | 日記
※『就活のバカヤロー』と同様、まとめページと言いながら、その章の内容の誇大広告、ウソ、大袈裟、紛らわしい表現が中心です。漫画家への業務連絡なども含まれています。本に書いてあることが全て事実だ、と思い込む真面目な方は読み飛ばしてください。



日本はバブル崩壊後、変わることなく就職氷河期で日本列島全体が氷漬け状態です。内定学生と成長企業は防寒技術に優れているに違いありません。

先輩学生は後輩学生に「就活は早くやれ」と説教し後輩学生はウザく思います。1年経てば後輩学生はウザい先輩学生に変身し代々引き継がれることになります。

ナビサイトのオープン時期を就職情報会社は毎年早めています。2050年にはさらに前倒しすることを画策しています。予定キャッチフレーズは「揺りかごから墓場まで」です。

就職合同説明会は人込みがすごく、酸素量が少なくなります。参加する場合には酸素ボンベと宇宙食が欠かせません。

説明会で一人私服・他全員リクスーだと私服の学生は「悪目立ちだ、もう落ちた」と思い込みます。企業側は「星占いに出たラッキーアイテム」程度には気にします。

OB訪問をすると、目からウロコがボロボロ落ちます。ついでに3枚おろしまで進むので、企業側は美味しく食べることができます。

ダメ就活学生の熱心さは鉄道オタクやストーカーの熱心さと五十歩百歩です。本人だけが熱心だと思い込んでいて周囲には理解不能です。

就活でボロボロになってもそこから人生開けることもあります。ボロボロになれば、それ以上ボロは出ないから当然です。

【私用連絡】高世さんは2010年3月にご出産されました。おめでとうございます。次は出産・育児漫画をぜひ。
by REIJI0 | 2010-06-18 15:44 | 日記
 2010年は上海万博の年です。だから中国の話をしましょう。
 今から約1700年前のこと、当時の皇帝はある地方にいる秀才にほれ込み、皇太子の侍従にならないか、誘いました。 
 ところがこの秀才は年老いた祖母がいました。侍従になれば祖母の面倒を見ることができないと思い、侍従の話を断わってしまいます。

 なぜ、就職活動、通称・就活のマンガで中国の昔話をするのか。それには理由があります。実はこれこそが「就職」という言葉の語源だからです。

 臣具以表聞辞不就職(『文選』李密の陳情事表)
(せっかくのお話ですが、事情があって就職の件、お断りします/石渡による適当な意訳)

 この話にはオチがあります。皇帝はこの秀才・李密の手紙を読んで李密と祖母を手厚く支援するよう、その地方の知事に命じました。さらに高齢だった祖母が亡くなると、もう一度、侍従としてスカウト、今度は就職することになります。

 李密からすれば、祖母の面倒と皇帝の命令の間で悩んだのかもしれません。あるいは、単に条件をつり上げるための交渉だったとも言えます。
 一方、皇帝の側も、単に命令すれば来るだろうと思いきや、断わってきたので焦ったに違いありません。

 それから1700年。この日本では18年もの間、就職氷河期という言葉が使われています。しかし、就職の根本は、就職の語源となった1700年前と変わるところがありません。
 仮に学生が秀才でなく、すごい学生でなかったとしても、会社を選ぶのは学生。選ばれるのは皇帝ならぬ企業です。

 現在の就職活動はインターンシップの影響で早期化・長期化する一方です。そして、法整備されていない影響もあって、全く対策がなされていません。
 そのため、学生はもちろんのこと、企業も大学も、あるいは学生の親も、皆、それぞれが不安となっています。
 その結果、数多くの悲喜劇が繰り広げられています。
 本書では、そんな就活の悲喜劇のうち、2004年(2008年以前の就職氷河期)の就活、ダメな就活、情報収集、インターンシップ、親、就活の歴史、自営業という8つの視点を9章に構成してまとめてみました。

 なお、オマケを付けないと気がすまない私・石渡の本ですので、3つほど付けています。
 〓ページからは「就職人気ランキングに絶対出てこない成長企業・ユニーク企業50」のリストとコラムです。学生の間では知名度がゼロ、ないし異様に低い企業をまとめてみました。

 各章各ページの下にはすべて欄外情報を入れました。そのページについての補足情報、石渡の感想、どうでもいい愚痴、漫画家へのツッコミなども含まれています。

 それから各章の末尾には、まとめページを付けました。『就活のバカヤロー』と同様、まとめページと言いながら、その章の内容の誇大広告、ウソ、大袈裟、紛らわしい表現が中心です。漫画家への業務連絡なども含まれています。本に書いてあることが全て事実だ、と思い込む真面目な方は読み飛ばしてください。

各章各ページについて、就活の現状と異なる場合は現状を優先します。ま、あまりカリカリせず、就活のドタバタぶりをちょっとのぞいて見てください。
by reiji0 | 2010-06-17 11:41 | 日記

内定辞退は大正時代にも

 内定取り消しは学生にとって、大問題、
「×社、ふざけんじゃねーよ!」
と叫ぶこともあるでしょう。
一方、企業の採用担当者からすれば、内定辞退こそが大問題。
「あれだけ第一志望と言っておきながら内定辞退とは、ふざけんじゃねーよ!」
 と叫ぶこともあるでしょう。
 なお、法的には内定取り消しは労働法などにひっかかる可能性大。一方、内定辞退は法的には合法です。矛盾しているようですが、それだけ学生の立場が強いということですね。

 さて、この内定辞退、採用担当者からすれば、いまどきの学生は、と言いたくなることでしょう。
 では内定辞退はいつ頃からか、忙しいのか暇なのか分からない小生、調べたところ、大正時代にさかのぼることが判明しました。
 まあ、調べたと言っても、『日本就職史』(尾崎盛光、文藝春秋、1968)を読んだだけなんですが(麻雀で言うと、ダブルリーチ一発ツモ)。

 被害にあった企業は住友本社。今だと住友商事でしょうか?
 大正10年、ある学生が住友本社に履歴書を出して採用されます。
 内定学生は重役に呼ばれて、ホテルのレストランで会食の席に招待されます。この学生、偶然、理事(今で言うと、常務か副社長くらい?)の向かいの席。
 会食に招待された答礼を述べることになりました。

「今お話のあった通り入社の上は住友を偉大ならしめるために努力します」

 おお、もの凄い大見得!
 重役や理事は、こういう学生が住友の将来を担ってくれる、と期待したに違いありません。

 ところが、直後に学生は興銀に採用が決まります。当然、住友本社は辞退。当然ですが、さんざん叱られます。
 さらには…

「住友では随分気を悪くしたらしく、翌年の採用試験の時に、学生達に向って私のことを話して、今年は住友に入る決心をして来た以上ああいう真似をされては困る、と前もっていい渡したそうだ」

 とのこと。1年たっても、まだ恨み言とはよほどのことだったのでしょう。
 まあ、いくら大正時代で今より規模が小さいと言っても、それでも住友財閥の中核会社。その重役・理事の前で大見得切った後に内定辞退ですから、怒り狂うのも分かるような。

 この学生は戦後、東京都民銀行の頭取にまでなった工藤昭四郎氏。住友グループが東京都民銀行と取引したかどうかは不明ですが。

 就活の歴史に内定辞退の影があり。いつの世も、採用担当者を悩ませる、内定辞退の一席でした。おあとがよろしいようで。
by reiji0 | 2010-06-14 18:58 | 日記
「講演に来てください」
とよく学生から声をかけてもらうようになりました。
 話を貰うのは嬉しいですし、こちらもできるだけ協力します。ただ、単純に手順を知らないのか、それで話が潰れることもそれなりにありまして。
 簡単ですが、講演依頼の方法をまとめました。他の講演者にも使えるのでご参考までに。

1)なぜ、その人なのか?
 依頼される側からすれば、「なぜ自分なの?」と考えてしまいます。
 そもそもなぜ講演を開いて、その人を呼びたいのか。その講演者の本を読んだ上で、どんな講演にしたいのか、考えましょう。

2)時期
 勝間和代さんクラスだと半年より前に依頼があります。当然、スケジュールはどんどん埋まっていきます。それでも、わずか3週間前に東大生から講演依頼を受けて、話に乗った勝間さんは偉い。ま、東大での講演が勝間さんにもメリットがあったとも言えますが。
 少なくとも開催時期の2ヶ月前には依頼してくれると、受ける側もスケジュールが組みやすいです。
 それと、開催時期の設定。例えば7月末に就職講演をやっても、大学が夏休みならまず集まりません。しかし、その日に就職ガイダンスがあって、その流れで開催したいというなら話は別です。同じように、インターンシップに関する講演なら5~7月なら人は集まるでしょうけど、9月だともう遅すぎますよね?
 単に「講演企画をしたい」というだけでなく、「開催時期と講演テーマがそもそも合っていて、人が集まるかどうか」、これもきちんと考えましょう。

3)依頼の前に
 一個人であれば、有志を募って「講演実行委員会」を結成するなどしてみるといいでしょう。その上で、内々に大学の就職課など教職員に「こういうことを考えている」と相談してみるのも手です。場合によっては何かしらの協力が得られるかもしれません。
 ただし、あくまでも仮の話にしておくこと。講演者への依頼の前に、講演日程などを全部決めてしまうと、大問題です。講演者の日程が合わない、趣旨に賛同できないなどの理由で断わられる可能性もあります。何より、手順としては、まず講演者に依頼するのが先。大学に正式に話を通すのは後のこと。相談するとしても、正式決定としないことです。
※日程が全部決まった後に、依頼を受けても、講演者としては非常に不愉快です。特にこの石渡は、「手順が逆だろ」と思うだけです

 依頼する前に講演者のブログやツイッターは見ておきましょう。そうすれば、講演するところがどんなところか、大体は分かりますし、最新の著作や雑誌記事の話も分かります。そうしたものは目を通しておきましょう。
なお、ときどき著書を
「図書館で借りて読んだ」「ブックオフで100円で買った」
と正直に答える学生さんがいます。

 俺の本を買わないなんて、こっちは生活がかかってんだ、バカヤロウ!

 こほん。絶対に買えとまでは言いませんが。
 図書館やブックオフと言われると、何だ、その程度の価値しかないのか、と悲しくなります。
 仮に図書館・ブックオフだったとしても
「読みました」
とだけ言えば十分です。

4)依頼の方法
 パソコンメールが一番です。

 件名には名前と大学名、要件を書くこと。携帯メールだと件名は未入力にするか、簡単にするか、ですが、PCメール、それも最初のメールでは、どこの誰がどんな要件か、簡単にまとめるべきです。
 本文では、時候の挨拶などは不要(OB訪問の依頼でも相当長く書く人がいますが、大却下)。
 どこの誰(●●大の●●と申します)、講演企画の概要、開催時期、謝礼・交通費の有無、推定参加者数などをまとめましょう。
 開催時期はある程度の幅を持たせること。

例1)10月上旬から就活意識が高まるので開催したい
→10月第1週から第2週でご都合の良い日時~

例2)毎週水曜の夕方だと学生が集まりやすいから、水曜しばりにしたい
→(なぜ水曜なのか説明した上で)10月の水曜日で~

謝礼・交通費の有無は一応書くこと。
 相場はあってないようなものです。分からない場合は正直に書けば十分です。

 私の場合は、
大学・書店・企業・教職員団体など→その主催者の規定額、または主催者・石渡が事前に相談して合意した額
学生団体・学生の持ち込み企画→条件をクリアすれば、講演料・交通費・宿泊費などは原則無料

 としています。
 依頼メールに戻ると、末尾には自分の名前、所属、住所、携帯電話の番号、携帯メールなど連絡先は一通り書くこと。
 講演ではないですが、かつて、就活デモの主催者とおぼしき学生から連絡がありました。が、デモの主催者なのに名前なし、連絡先なし。デモを企図しているのに連絡先も書けないとは、ということで無視決定。
 その後、「ネットでのやりとりから始まった話なので自分の名前なども名乗れなかったのでは」と同情論も聞きましたが、主催であってもなくても、名乗れないという時点でNGだ、そんなの。いーえ、あたしゃそんなの認めませんよ、ええ。


5)依頼後、返事がない場合
 メールを送って1週間、返事がないようなら、再度メールを送るか、ツイッターがある場合は「講演依頼のメールを送らせてもらったのですが」とつぶやきましょう。
 それでも反応がなければつぶれた、と考えるしかないです。普通は、受けるか受けないかの返事は出すはず。
 講演の趣旨に賛同できないのか、スケジュールが詰まっているのか、断わる理由はそのどちらか。
 私の場合、あからさまに怪しい団体(自己啓発系、宗教、特定の主義主張に偏りすぎなど)はお断りしています。さすがにそれが理由とは返信しませんが。
 スケジュールが合わないときはその旨を伝えます。その場合、時期を変えて再度、アタックすると実現するかもしれません。
 それから、私の場合ですと、ブログ等で講演予定は早めに公開しています。
 その前後に、近隣地域に該当する場合は話を受けやすいです。

例1)
 6月18日 北大講演
→札幌に滞在しているので、その前後の日程で札幌・北海道の大学・学生からの講演依頼は受けやすい

6)講演者決定後
 講演者が受諾したら、大学や大学生協などに報告、協力を正式に要請しましょう。集客も大事です。黙っていては人が来ません。
 チラシを作って学内での告知はもちろん、講演実施をブログやミクシィ、ツイッターで告知することも必要です。
 学内メディアがあれば連絡し、さらに地元の新聞社やミニコミ紙、テレビ局などにもこういうイベントがある、とダメ元で連絡しましょう。場合によっては取材に来て、記事や番組になります。そういう交渉はいい社会経験になるかと。

7)講演決定後、トラブルが起きた場合
 言いづらくても、講演者には連絡しましょう。仮に、何かの都合で講演開催がうまく行かなくなったときはすぐに講演者に連絡すること。時期が遅れそう、なども同様です。
 開催間際になって、中止が知らされるとショックです。
 それから「講演をぜひお願いしたい」と伝えておきながら、その後、なしのつぶてというのも、ちょっとどうか、と。

8)講演終了後
 講演が終了したら、講演者にお礼と報告をしましょう。アンケートを取る取らないは好みの問題ですが、とらない場合でも、「参加者からこういう反応がありました」と伝えれば講演者は喜びます。それがネガティブな反応だったとしてもです。

9)講演依頼で困るパターン
ⅰ依頼学生の名前などがない
ⅱすでに大学などと話を付けて開催日が決まっている
ⅲ依頼しておきながら、その後、連絡がない
ⅳ開催前から参加者が少数であることが明らかなのに、それを隠そうとする

 以上、講演依頼についてのまとめでした。ご参考までに。
by reiji0 | 2010-06-14 13:29 | 日記