ライター(大学ジャーナリスト)石渡嶺司のブログ


by reiji0
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 前回の続き。
 話は一気につい最近まで飛びます。
 岡山に採用担当者と大学就職課職員が集まる勉強会がありまして、そこから講演のご依頼をいただきました。
 この種の勉強会や交流会、同じ業界の採用担当者が集まって、とか、同じ地域の就職課職員が集まって、というのはよく聞きます。が、採用側と大学側が両方集まる、というのはあまり聞きません。

 こういう集まり、一歩間違うと癒着だなんだと的外れな批判をする方が出てくるので会の正式名称は記載しません。
 癒着なのか協同なのか、それは紙一重。会の様子を見る限りでは、あれで癒着云々という批判をするに値しないとしか思えませんでした。私はよほどの話がない限り、コミュニケーションの機会は多ければ多いほどいい、という立場なので、こういう勉強会や交流会は大いにやるべきだ、と考えています。


 さて、講演後の懇親会での席でのこと。こういう席では名刺交換がお約束でして、色々な方と名刺交換をしていくと、登場したのが環太平洋大のキャリアセンター・岡野さん。

 来ることは事前に聞いていたので、これはもう逃げられません。

「あ、どうも。悪口を書きたれた石渡です」

 最初、ご存じなかったようなので(どうも前の大学から着任して数週間だそうです)、光文社の新書で、とご説明すると、学内で相当話題になったらしく、すぐ通じました。

 ここで岡野さんがすごいのは
「それなら、ぜひうちに見学に来てください」

 お誘いを受けてこちらもあっさり。
「あ、それなら、明日午前中に行きます」

 実は懇親会の翌日、午前中の予定がすかっと空いていて、どこかの大学に見学に行こうかな~、と考えていました。そこで懇親会の席で最初に誘ってくれた大学に行こうと思っていたのですが。
 大体は名刺交換止まり。あるいは「マスコミかよ、面倒だなあ。こういう会来るなよ。何書くか分からないし」くらい思われていたかもしれません。

 実は大学でも企業でもどこでもマスコミ関係者を敵視する方というのはそれなりにいます。末席にしかいないはずの私もたびたび遭遇しています。いや、末席と言うかフリーランスだからこそ、そう思われるかもしれませんね。

 こういう方の理屈としては、
「何書くか分からないし、コントロールできない」
 というもの。

 うん、そこはその通りです。
 ただ、敵対か共存かは紙一重。

 広報がうまい大学は、都合のいいこと悪いことも含めて情報をきちんと出してきます。豊田工業大などは一度名刺交換でもすれば、どこそこの国から留学生が来たレベルの話まで細かく出してきます。
 金沢工業大などもうまいですね。こういう大学だと強い思い入れがなくても、情報がある分、書きやすくなります。そして、悪く書くこともあれば良く書くこともあるわけで、ドンブリ勘定では、良く書く比率が高くなることも。つまり、結果的に「コントロールできた」ということになるはず。大学広報がちゃんとできる大学関係者であれば「結果的にコントロール」というところまでちゃんと読んでいます。

 この点、環瀬戸内海と皮肉られただけで、別のジャーナリストが訪問したいと言っても企画趣旨書を出せ云々と言う環太平洋大は広報が下手な大学です。それならまあいいかなあ、と思っていたところに。

「それなら、ぜひうちに見学に来てください」

 そう言ってくれた大学は、その席では初めて。なんか、前に先輩ジャーナリストを追い返したのとはえらい違いです。それなら行くしかありません。

「まさか、行って拉致監禁なんてことはないですよね?」
「ははは」(乾いた笑い)

…。やっぱり行くのやめようかな~。とりあえず、お腹にジャンプを入れるのはお約束です。
 というあたりで次回に続く。
by reiji0 | 2011-07-25 23:43 | 日記
 2007年の『最高学府はバカだらけ』を覚えていらっしゃるでしょうか?自分の著作では2番目に売れた本です。

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書 318)

石渡 嶺司 / 光文社

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大学のことを相当皮肉って書いたので大学関係者に相当いらん敵を作った模様。もっとも、この間、話した某大学キャリア職員によると、
「あの本だけだとこいつはダメだと思ったが、その後の中央公論の記事でいいこと書いていたから見直した」
 とのこと。うーん、人間の評価はどこで定まるかわかりませんね。

 閑話休題。
 同書では、大学名と立地のあたりで立命館アジア太平洋大、環太平洋大、ノースアジア大をぽんぽんと並べて皮肉りました。ノースアジアは東アジアにある日本で言うのはやや苦しい、というオチで。
 このうち、立命アジアとノースアジアは特に何もなし。立命アジアは裏では相当激怒しているらしく(笑)。『最高学府はバカだらけ』以降も「国際系大学では行く価値なし」と散々言っているので無理からぬところ。そういや、この間、某飲み会でこの立命アジア(意地でもAPUとは呼んでやらん)の是非をめぐって激論を交わしたような。
 話を環太平洋に戻すと、唯一反応したのが、この環太平洋大。学長先生がわざわざ手紙を送ってくれました。そこには、環太平洋という校名についての思いが切々と書かれており、「環瀬戸内海」じゃダメなんです、とまで。いや、あの「環瀬戸内海」ってしょーもないギャグなんでそれ大真面目に言われても。

 私はお返事を差し上げてもおそらく相容れないのでスルーするつもりでしたが、私以上に武闘派だったのが担当編集者カッキ―氏。
「こんな手紙送られて黙っているのはおかしい。僕に考えがあります」
 はあ、なんか知らないけど任せた、という会話があってから1か月後。『最高学府はバカだらけ』が売れていた時期、というのもあって日経に広告を打ってくれたのです。
 おお、タダで広告売ってくれるとは有り難い、と新聞を見ると…

「某大学学長も激怒!」

 どう考えても環太平洋大に対する当てこすりです。カッキ―、あんた強烈すぎるよ!
 今思えば、批判されてもそれをネタにしてひっくりかやす、という手法、このときから始まっているような。

 さて、強烈なパンチをくらった環太平洋大。その後は特に手紙もなく。ただ、これが元でえらくマスコミ嫌いとなり、私の先輩格にあたる某ジャーナリストが見学に行きたい旨、伝えたところ
「企画趣旨書を書いてください」
 いや、単なる見学だし、それですぐに記事書くわけではなくて
「書かないなら来ないでください」
というやり取りがあった、と聞いています。

 まして、「環瀬戸内海ではダメなんです」と切々と書かれた学長の手紙を無視した自分などが行けば拉致監禁されるに違いない。
 そう思って、しばらくこの大学の話から遠ざかり5年が経ちました。(続く)
by reiji0 | 2011-07-24 12:51 | 日記